観音院の縁起・寺号・山号

■観音院の縁起(えんぎ)■

 観音院は今から四百年の昔、慶長六年(西暦1601年)

辛丑(かのとうし)七月十日に、増香上人(ぞうこうしょ

うにん)といわれるとても偉いお坊さまが開かれた由緒(ゆ

いしょ)あるお寺です。

 当時の広島は、安芸の国(あきのくに)と呼ばれていまし

た。長くこの地を統治した毛利氏が関が原の戦いで破れて減

封され、代わって福島正則(ふくしままさのり)が入国した

丁度その頃の時代です。

 この地の庄屋(しょうや)であった田頭新蔵(たがしらし

んぞう)が、慶長十六年(1611年)に聖観音(しょうか

んのん)さまをお祀(まつ)りするお堂を寄進(きしん)

されて以来、この辺りを観音村というようなりました。

 つまり、観音院は観音町の発祥(はっしょう)のお寺なの

です。

 観音院のご本堂(ほんどう)の中央に在(ま)します「大

日如来(だいにちにょらい)さま」は、昨年の十二月に総金

箔(きんぱく)で荘厳(そうごん)され、作られた時と同じ

お姿にお化粧直しされました。

 ご霊験(れいけん)あらたかで、かつ、とても美しいみ佛

さまでいらっしゃるので大変な人気です。

 ご法要が終わっても去りがたいとお帰りにならず長くご本

堂で礼拝(らいはい)されている方も多くおられます。中に

は一旦、山門を出られてから引き返されて、もう一度拝(お

が)ませて頂きたいとおっしゃる方もおられる程です。

 皆さま方にはご遠慮なくご本堂に入られてお参りされて下

さい。

 日中にご無理な方も、夜間ご本堂の前から礼拝できます。

本堂の扉の正面は透明ガラスにしてありますので、そこから

大日如来さまの美しいお姿が輝いて見えます。

 山門は二十四時間、開いていますので、時間をお気になさ

らずにお参りして頂くことが出来ます。

■観音院の寺号(じごう)と山号■

 皆さまに広く親しまれております「観音院」という名はお

寺の中にあった観音堂から由来した名前で、本来は「永徳寺

(えいとくじ)観音院」といいます。

 永徳寺というのは佛徳(ぶつとく)を長く保つ寺という意

味です。

 お寺にはもう一つ「山号」(さんごう)と呼ばれる名前が

あります。

 山号は昔のお寺の多くが山の上に建てられたことに始まり、

後に平地にあるお寺にも山号をつけるようになりました。

 観音院の山号は「合法格物致知山」(ごうほうかくぶつち

ちさん)といいますが、略して「合格山」とも呼ばれていま

す。

■入学試験合格・就職試験合格祈願■

 まだ七月なのに入試の祈願ですかとおっしゃるかも知れま

せんが受験生には、もう七月なのです。

 実際に受験生には夏休みはありません。自宅や塾などで懸

命に勉強に励(はげ)まれています。

 観音院は「合格山」と呼ばれて受験生の皆さんに大変に縁

起の良い山号として人気があります。

 入試合格のご祈願は、お正月にお参りされて申し込まれる

方もおられますが、実のところ観音院では、お正月よりも七

月~八月の方がご祈願が多い時期なのです。

 毎日休み無く、一生懸命に勉強されている子供さんやお孫

さんのお姿を見られていて、少しでも何かの力になってやれ

ればと言われてご家族の方がお参りされることが多いようで

す。

 入学試験合格祈願をお願いされた皆さまに「受験生のお名

前とお年で拝まれたお札(ふだ)とお守り」をお授けいたし

ます。

 また、護摩木(ごまぎ)のお願いは何支(本)からでも出

来ます。

 ご参拝の時にお気持ちの本数を書かれてもよろしいですし

一ケ月分(三十支)から三ケ月分(百八支)をまとめて書か

れてお寺に預けて頂ければ一日一支ずつ毎日拝みつづける継

続護摩木のご祈祷法(きとうほう)もあります。

 早い方は新学期を迎え受験生となられた四月から始められ

ています。この原稿を書いている今は六月の中頃ですが、既に

毎日のようにご祈願のお申し込みやお問い合わせが数多くあっ

て大忙しです。

 受験生の方の中には、ご本人はインターネット「メールで

お参り」試験合格(success@bukkyou.ne.jp)にポストペット

でお参りされていて、護摩木の継続はご家族が代わりにお寺

にお参りされて書かれている例もあります。

 遠方の方は護摩木の郵送も出来ます。ご都合のある方はこ

ちらで代わりに書かせて頂くことも出来ますので、ご遠慮な

くお申し付け下さい。一支一支、心を込めて書かせて頂きま

すのでご安心下さい。

 受験勉強や日常に使われる筆記用具などもご祈祷して頂け

ますのでご遠慮なくご持参下さい。

 就職試験合格祈願も同様に拝ませて頂いております。「メ

ールでお参り」は試験合格のアドレスまで。

■観音院開基の吉祥日■

 七月十日は観音院の開基の日で今年は四百一年目にあたり

ます。

 昨年七月からは一年間、四百年記念法要を執行してまいり

ましたが、多くの皆さまにご参拝頂きまして深く感謝いたし

ます。

 今年は七月十日と十一日の開基記念法要にご参拝頂きまし

た方に「菩提樹の葉」をお授けいたします。

 菩提樹(ぼだいじゅ)は、その樹の下でお釈迦(しゃか)

さまが悟(さと)りを開かれたことから名が付いた聖樹です。

 この有り難い菩提樹の葉の葉脈を取り出しビニールコー

ティング加工したものに、「各家のご繁栄をご祈念」いたし

ましてお授けいたします。ご家族の皆さまおそろいでお参り

下さい。