佛教談義

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はたして佛教各宗は世尊の本意に

全号に引き続いて、今から約百年前に、宗教関係のある新聞に掲載された、投書子と回答者の、一問一答をご紹介いたします。   はたして佛教各宗は世尊(釈尊)の本意にかなっているか? 質問 天竺(インド)から中国、そして日本に伝来した仏教は、多...
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大日如来の仮実如何

これからご紹介するのは、いまからざっと百年前、真言宗の宗徒 とおぼしき熱心な「信者」が、仏教関係の新聞に投書し、それに対して「学識者」がその質疑に答えた内容の文章です。   大日如来の仮実如何 質問 真言宗では「大日如来」という「ほとけさ...
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三宝を信敬し「現報」を得る縁し

「日本霊異記」より 大花位(だいけい・冠位十九階のうちの七番目にあたる。 冠位階は様々ある)大伴屋栖古の連の公(おおとものやすこの むらじのきみ)は、紀伊の国名草の郡宇治(和歌山市紀三井寺) の大伴の連等の先祖(とおつおや)である。    ...
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忠臣、欲少なく、足るを知りて諸天に感じられ、報を得て、奇事を示す縁

故中納言従三位(ちゅうなごんじゅさんみ)・大神高市萬侶(お おみわのたけちまろ)は大后(おおきさき・持統天皇)の忠臣であ った。日本書紀にこうある。   「朱鳥(あかみとり)七年---- 持統六(六九二)年壬辰の二月、 諸司に詔(みことのり...
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お釈迦さまの八相成道

 仏教といえば、仏さま、日常で「仏さまのようなお人柄」と言れる と慈悲心の厚い人を表わすめ言葉に使われます。  日本では、ご先祖さまや亡者、霊などをも仏さまと言うことも   多く、人が亡くなった時などには、人を「仏」といい、「仏さまに お参...
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仏の「三十二相」

寅さん ほとけさまは三十二相をお持ちだそうですが、それは一体どのようなものなのでしょう? ご隠居 仏の三十二相というのは、釈迦如来が九十一劫(こう・きわめて永い時間の単位)という気の遠くなるような永い間に、百福を修(しゅ)して成就(じょ...
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予約して安心

「私に万一の事がある時は・・・・」 ご隠居 寅さん、このさいだからこっそりうちあけるが、じつは、私は、観音院さんが今すすめられている「葬儀の予約」というのをお願いすることにした。 寅さん それはつまりあれですか。  自分の葬式のリザーブ...
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わざわいの前兆とその実体に恐れおののいた景戒の話

「日本霊異記」より 山部天皇(桓武・かんむ)の御世(みよ)、延暦三(七八四)年の甲子(きのえね)のやどれる冬十一月八日の夜、戌(いぬ)の刻より寅の刻(午後八時ごろから午前四時)にいたるまで、満天の星が繽紛(ひんぷん)とみだれうごき、流れた。...
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修行の僧を迫害しかえってひどい目にあった話

「日本霊異記」より  昔、故京(旧都・平城京に移る以前の都であった藤原京、飛鳥京のこと)の頃の話である。  ひとりの愚かな男がいた。とにかくこの者は、道理とか人情とかをどこかヘ置き忘れてきたようなたぐいの、どうしようもない人間であった。 ...
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行基大徳が怨みを見抜いて霊異を示した話

 「日本霊異記」より 行基大徳(ぎょうきだいとく・六六八--七四九)は難波の入江を堀り拡げて船着場をつくり、道俗(どうぞく・僧と在家)をとわず、仏法を説いて教化(きょうけ)につとめていた。  その日も、河内国の若江の里で大勢の人が集まり、...