寺にあるものは一切合財仏具ですから粗末に扱うと罰があたります

仏具は、み仏さまの生活用品です。更には住居であり、環境と考えると、調える心得が得られると思います。
 灯明が電球に変わった時に、仏具は大幅な変化の始まりがありました。
 お灯篭の明かりが俄に明るさを増して宗教関係者は驚きと共に手入れが楽になり、喜びは大きかったと思います。
 灯明は消えないことが大切で、電気が普及するにつけて、ランプの芯を入れ替えたり、灯油の補給や、灯火を風から守るガラスの筒の煤汚れを綺麗にする作業から子供たちの役割も無くなりました。観音院に沢山あるお灯篭も風を防ぐ和紙には、今は全てアクリル樹脂が用いられています。
 灯油を入れていた扉は電球を入れ替え以外に開けられることはありません。
 のみならず、装飾電飾なども供えて下さることもあって一変しています。
 お寺の屋根は、皆さんのお宅に比較すると棟が高くなっています。これは大きな木造建築物が火災で炎上した場合に、隣接する建物に延焼しないように中心に向けて焼けて崩れるようにしてあります。
 観音院の場合は鉄筋コンクリートですから、屋根は平坦になっています。
 壁面に外側と内側に各々二十五菩薩像がおまつりしてあります。
 常夜灯は、計五組があります。これらの常夜灯は先の芸予地震の際に転倒変形したので、現在の物はより丈夫なものになっています。
 震度4くらいの地震なら問題は有りませんが、それ以上の地震ですと経験したことが無いので分かりません。震度6くらいになると、硝子が壊れたり蔵書が散乱したり、仏像の一部には被害が出るかもしれません。
 万全の構えという建物は有り得ません。強いて言えば、法主さんが皆様の安全だけを考えて基礎や全体の工事を基準以上になされたと聞いています。
 水も断水を考慮されて浅井戸と深井戸を用意しておられます。停電を考えて発電機を二重に設置されてます。
 外装は五年に一度の割合でされてヒビには水や空気が入らぬよう注意し、二十年以上になりますが、昨日竣工したかのような体裁を保っています。
 鉄筋もコンクリートも寸法で倍、容量で四倍と単純に指定されたそうですが、建築基準法の強度などは上回って当たり前と言う考え方です。
 現在でも変更工事や冷暖房の追加工事などで掘削に業者が唖然とされることがあるような強度らしいです。
 本堂や客殿はみ仏さまの大切な仏具なのです。
 ついでながら電算機もみ仏さまの教えを伝える大切な仏具です。この文書もテキストとして電算機に蓄積してあります。もちろん同じものが他の電算機にも蓄積してあります。
 今年は観音院にとって電算機の買い替えは、全て凍結しております。64CPUが発売されて、現在使用しているソフトが安定して使われるまでマックもウィンドウズも現在の機種を使っていて間に合います。
 費用は全て浄財ですので、み仏さまの財布は慎重に運営します。車両も従来から新車が出ると、前の機種を一番安定していると考えて、かつ低廉で調達して間違いが無かったからです。

誤解多い仏足跡 (ぶっそくせき)
その上に立ってはいけません

 観音院の本堂正面に、真鍮で出来た蓮の上にお釈迦様の足跡と伝承される模様入りの足跡を置いてあります。
 仏教徒は仏足跡の上に立つようなことは非礼なことで絶対にしません。これは礼拝の対象なのです。
 大半の人は知っておられますので、この上に直立不動の姿勢で立たれることはありません。
 時として、あまりお寺に参詣することが少ない、事情をご存知ないひとが仏足跡の上に立たれます。
 俗に言えば、大変に罰当たりな人で、どんな罰が当たるかは知りませんが、仏教の常識は、世間に通用しないものだと呆れて考え込みます。
 このようなことは色々ありまして、例えば「大般若経の収めてある箱」に腰掛けられる、これも絶対に許されることではありません。
 皆様もご自分の両親の写真を椅子の座るところには張られないでしょう。仏壇を椅子にはされないと思います。
 あれこれ揚げ足を取っても、仕方の無いことで、このような様々なことに気を使っていたらきりがありません。
 何事も大目に見るようにつとめて、僧侶は信徒さんには寛大であるのが宜しいと思います。

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