不景気は今まで体験したものより凄い

昔と言っても昭和五十四年頃、私は小さな机と五ワットの電球、ピータイルの上に座布団一枚、毛布二枚、枕一つで暮らしてました。現在の観音院の完成早々で、壁はコンクリートの打ち放し、天井板も無いところで起居してました。冷暖房無し、臥薪嘗胆の真似事です。この頃が最近、懐かしくてなりません。
 今般山門入口に出来上がった「大日堂」は床が御影石、それ聞いて、急にここに住みたくなりました。観音院に寄宿する僧侶としては真に適切、観音院にお越しの節は是非ともお寄り下さい。お話でもしましょう。 文責観自在編集部

 禁酒禁煙ですから、ここでは、飲酒喫煙はご遠慮ください。微醺「少しの飲酒した方」の訪問も辞退します。

 ここは十善戒厳守の場所です。季節の果実などは受けますが、枝付きは遠慮いたします。お魚は此処で調理出ませんので、肉類同様遠慮します。

 珈琲はブルックスを用意しています。抹茶は道具の置き場が無いので提供しません。糖分を含まないコーラや飲料、ペットボトル入りのお茶は歓迎です。

 人間が生きるための最小限度の居室ですから、ペットボトル三本が定数です。沢山貰っても置き場がありません。

 お泊りの参詣者は、別殿四階に立派な設備(参籠堂)がありますので、ご予約されて、そちらをご利用ください。

 境内には、観音院のおみくじは凶は全部抜いてあります。折角参詣された皆さまに嫌な思いや不安な思いをしてもらわないためです。これは縁という意味とは少々はずれています。

 最近、警察のマル秘文書や沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件のビデオ映像がインターネット上に流出した事件があり、ニュースになり、厳しい捜査が続きました。観音院は就業規則に「何人もパソコンにパスワードを掛けてはならない。個人情報の漏洩が絶対に無きように、info並びにmasterは随時パソコンを点検し、情報の踏み台になっているパソコンが無きよう点検する。パソコンの閲覧履歴、メール等を許可なく消去したのを含めて作業の禁止、自宅待機とし当該パソコンに触れることは出来ない。懲戒処分等はその程度により職員全員で決定します。」

 どの企業もパソコンを利用しておられるところは厳重な規定を設けておかないと、世間に大変な迷惑を掛ける事になります。管理者の責任は、極めて重要です。

 皆さんも、あちこちのホームページを閲覧していると悪質なサイトでとんでもないウイルスに感染する恐れがあります。閲覧履歴を消さないのは感染先を特定するためです。企業のパソコンの最初のページにパスワードを掛けるのはそのパソコンを占有し横領したのと同じです。

▼世の中が進むと、善意の人が知らずに世間に迷惑をかけることがあります。パソコンは本人が知らない内に悪用されることがあります。観音院にはITに強い顧問の本山憲治責任役員がおられますのでご相談下さい。

■ホームページは組織や企業にとって無くてはならないものです。最近の人は何かを探す場合にはインーターネット検索比較される場合が多いようです。

 また官公庁のホームページは皆さんの日常生活にとても有用な情報がたくさんありますので、検索して、すすんで最新情報を利用してください。

 持病や病気、服用している薬についても、さまざまな説明のページ、患者さんの体験日記や、クリニックや病院などのホームページも充実しているので参考にしてみてください。

 広告宣伝費も従来の看板や紙媒体からインターネットに向かっています。良いホームページは良い企業あるいは組織と判断されがちです。

■パソコンは広く普及し、反面弊害も出て居ます。「出会い系」はまず詐欺で危険だと考えても良いようです。最近のカードショップ枠で現金を振り込んで来る商法が有りますが、これは年利五百%にもなるような凄いものです。

 まだ法律で規制されていませんが、この手を利用して金策は絶対になさらないで下さい。ホームページは善意の表明と悪魔の手段である事は、「普通の世間と同様」です。良く分からない時は相談して下さい。

■最近、ホームページのメンテナンスが出来ると言う条件で職員を採用しましたが、技術が低く使いものになりませんでした。如何ともし難いです。

■本山責任役員は、誠実でITに関しては造詣が深く、頼りにしてます。

■「大日堂」は十一月末には完成します。法主が、ここで日常を過ごせば、道路から二メートルですから、大変に楽しみにしています。

 炬燵はいろいろ考えたのですが、今から寒くなりますし、お顔を見て暖かい交際をするには良い方法だと思いました。皆さんが観音院に居る私をより仲良しになって下さる事を願います。

■最近百円パーキングが増えました。マンション建てて、それを貸して生計を立てている人々を知っていますが、修繕やら、税金やらで、更地(さらち)でパーキングにして置けば良かったと愚痴を申されます。

 空きビルが目立ちますね。近所にも空き部屋や空きビルが目立ちます。

 バブルの最中に立てて、建築費が高く付いていますから、安く貸すことも不可能です。

■二軒の雑貨屋さんがあって、一軒は銀行から借りて新築のお店、もう一軒は借金はしないで古いままで営業されていましたが、新築の方は破綻。古い店は残ったという話を聞きました。

 郊外型のショッピングセンターも便利ですが、その陰で駐車場の無いお店や品揃えが出来ないお店を閉店に追い込んでいます。便利になったと喜んでばかりでは居られません。

■今年の異常気象は、農業を営む人にとりまして残酷な影響を与えることになりました。

▼一方では、建物内で種まき、温度管理、肥料管理など人手の掛からぬ工場生産の野菜も出て来ました。大規模でふつうの農家では対応できません。

 万一環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)にでも日本が加盟すると、アメリカ・オーストラリアの大規模農業と、日本の現在の零細農業が正面衝突します。絶対に勝てる見込みはありません。

 平均年齢六十四歳という現実、減反政策と補助金で日本の農業は、産業として見た時は相当疲弊しています。しかし、日本の野菜は工業製品のように美しく、美味しく作られていて関税撤廃でも十分競争力はあると思います。さらに大切な問題は世界的人口の爆発です。どの国も輸出よりは輸入に努力すると思います。

 しかしAPECでこの問題に深入りすると民主等の命取りになりかねません。

■アメリカも日本も金融緩和で景気のテコ入れをやってますが、一歩間違うと、金融恐慌を招きかねません。円高の問題も大変に難しいものです。下手をすると物価の下落が止まらない、デフレを促進するかも知れません。金余りはインフレに向かうかも知れません。

 お金は魔物です。大きな銀行も証券会社も簡単に飲み込みます。国単位で飲み込む場合もあります。

 赤字国債も麻薬と同じです。一旦この手を覚えると際限無く膨れ上がります。日本は残念ですが赤字国債中毒です。

 色々考えると、眠られなくなります。問題の根幹が見えないのです。

■今年の色々な出来事は、従来の一世紀には経験しなかった事なのです。

 日本列島そのものはユーラシアプレートと北米プレートに乗っていて、これらは太平洋プレートにより東から、フィリピン海プレートにより南から押され、太平洋プレートとフィリピン海プレートは海溝やトラフをつくって潜り込んでいる。こうして、日本は、三つのプレートが一ケ所で接する、三重点(トリプルジャンクション)が近くに二つもあるという、極めて複雑な様子を示している。日本付近には、世界の活火山のうちの約十%の活火山があります。

▼最近フィリピン海プレートに裂け目ができていると説明する専門家がいます。

 阪神淡路大地震から暫く大きな地震がありません。実際は今晩、明日未明に大地震が有っても不思議ではありません。

 家具転倒防止金具を取り付けたり色々していますが、考えると不安で一杯になります。観音院は相当凄い基礎工事をしていますが、地震の規模は起きてみないと、被害は分かりません。凄い基礎でも饅頭くらいかも知れないのです。これで完全と言えないのが地震対策です。

▼日本人の多くは理論や理屈を過信していたと思います。その理屈を元として、色々な法律が出来る。そして許認可がなされています。多くの耐震基準を満たさない建物が大問題になったのは皆さんもよく知っておられるところです。

 これは建物に限らず、色々な役所の権限になっていて不要な仕事に精出している公務員がたくさんおられます。仕分けも結構ですが、不要で現実的でない法律は改廃すべきです。

■年末といえば資金繰り、かつて東京事務所で聞いた話ですが、土地建物に一番抵当と二番抵当を付けておられました。一番抵当の銀行には几帳面に支払い、二番抵当の方を支払を疎かにされました。ところが二番抵当の方が競売を申し立てられた。競売にされても一番抵当に充当されて、競売を申し立てた金融機関には利益がありません。

 不思議に思って聞きに行きました。二番抵当の会社はその地区から撤退の予定で残務処理をしていると言われました。借りている方の論理では無く、貸している金融機関の論理でした。

 ですから、年末の資金繰りはよくよく念を押して確実に準備して下さい。

 お寺に三日だけ一週間だけという掛け込み融通の申し込みがありますが、お寺は金融能力皆無で禁止されています。

■お正月料理を準備される家庭は少なくなりました。コンビニやスーパーで二十四時間営業の店は少なくありません。

■一番怖いのは自殺の相談、専門的な資格は有りませんが、随分と増えました。それでも一年に二、三件で済んでいますが、死なせたくないと夜中に出かけたりして無理がありますね。死ぬ原因には全くお寺は関与してませんから、困難があります。そして話の要領が悪く、どこのどなたかもなかなか把握できません。お会いして話せれば自殺はまず防げます。

▼信徒さんの中で、一方的に「今までお世話になりました。さようなら」は一番困ります。自宅に電話しても不在です。遠くに移動して死を選ぶ、これは本当に困ります。打つ手が有りません。

 「死ぬ、死にたい」と言う言葉を話の冒頭にされると、僧侶としては出来るだけ注意深く応対し、一緒に食事ができるところまで行けば、まず死なずにすみます。ここまで持って行くのが大変です。

■お寺は年末年始は色々と忙しく、年を越すのは、本当に大変ですね。観音院の職員も年始のお客さまに応対する準備に忙しくしております。

 皆さまの多くのご奉仕とご支援を頂いて毎年年越しができます。