院家さんご結婚御目出度うございます これが観音院のパワーの源泉だな

【寅さん】 ご院家さんご結婚御目出度うございます。いやはや予想もしなかったし、言うべき言葉もないな。

【院家さん】 私は今年の夏に八十二歳になる。相手は今年の秋に三十七歳になるのだから四十五歳の開きかあるな。まぁ私は百五十歳までは生きるつもりだから、その時は相手は百五歳だな。そんな事はさておいて、白骨の御文章というのが有る。
「朝には紅顔ありて夕べには白骨となれる身なり」と言う蓮如上人の有名な御文章だな。

これによれば人間は朝は元気でも、夕方には死んで焼いてしまって白骨になるという儚いものであると言う意味だけど、十五、六歳から死ぬまでの間、人間は如何なる事が起きてその日のうちに死んでしまうような事もあるよ。と言うような意味だ。

【寅さん】 それにしても、職員も世間もご親戚もこんな事はご存知ありませんでしたよ。私も全然気が付かなんだ。よく内緒にしておけたな。

【院家さん】 慎みが大事だな。交際して一年半ぐらいになるが、べたついたり、それらしい行動は全くとっていないからね。兎角女性は甘えたいものだが、彼女はそんなもの一切出さなかったな。実は挙式婚姻入籍が済むまで手を握った事もない。専ら仏典の講義解釈をしていたような事だ。挙式は曼荼羅を荘厳し、相互に敬愛し扶助し病める時も盛んなる時も常に「いたわり、慈しみ、思いやり、相互の立場で考える」と御佛様にお誓いした。極めて質実なものだった。それから戸籍の謄本を取り寄せたり、市役所に婚姻の届け出を出したり。家庭裁判所に改名許可の申請を出したりとという事で高田礼華さんが誕生したような次第だ。