領海を侵犯していて追跡され自爆したらしい北朝鮮の工作船の
重武装は、予想を超えた凄いもので、これと対峙する日本の艦船
の武力は少々心配なことです。日本語を教えたり、工作員の身分
を詐称するために拉致された人たちの関係者の心情を考えると胸
が痛みます。日本は確かに第二次大戦までは近隣諸国を侵犯し、
植民地化し、外国の人を強制連行したり、財産を取り上げたり、
各地で虐殺もしているとおもいます。その責任は、大半の日本人
にとっては取り得ない親の代や祖父、祖祖父の時代になされたも
ので、深く反省できる人たちは相当、自虐的だとおもわれますが、
考えるとだんだんと気が重くなることです。(田川純照筆記)
通常は戦争は軍隊がするもので
国民は無辜(むこ)の民と言われる立場
日本人の無辜の民も虐殺された
どうして日本のあちこちに治外法権的米軍基地があるのか、単純
な私には理解できません。広島や長崎、諸都市で戦争に何の関係も
無い人たちが虐殺されたのは何故か、非道なことが何故されたのか、
原爆を投下したことに関係した人たちは敗けていたら戦犯です。
家族全員が死んだ、怪我や火傷をした、放射能障害で苦しんでい
る無辜の人たちがいまだ沢山おられます。
毎年八月になると「平和祈念式典」が施行されますが、辛い歴史
です。
戦後、ほぼ世の中が平和になって、ふつうの生活をしていた人が
拉致された。自衛隊などの国民を守る責務は果されていなかった、
この責任は先ずは日本の国にあると思います。
日本の教科書は日本的で外国にそのまま通用するものではありま
せん。
さりとて元日本と交戦した国の人たちに日本の教科書を編修して
もらって教科書として使うことは不可能です。
小泉総理が終戦の日に靖国神社に参拝されることは日本人の心情
からすれば決して奇異にも感じませんし、むしろ参拝の日をずらす
方が信用を落としかねないと思われます。それが、日本の軍国化に
結び付くとは到底考えられません。
護国の英霊を祀るには、靖国神社や護国神社にお祀りするのが
自然です。
総理が終戦の日に参拝して、仇(かたき)は取りますなんて英霊
に約束するはずもありません。戦争犠牲者の碑に後日の国家元首
が平和を願って参拝するのは当然過ぎることです。
個人的に言えば中国は好きですが、靖国問題に対する過干渉や、
台湾を国家として認めないのは分かりません。
日本人の多くは仏教徒で先祖の慰霊は仏式が過半数で、かつ神社
に参拝することに矛盾を感じていません。
結婚式を、神社で挙式するのはよくあることで、仏教徒が仏式で
結婚式をする例はほとんどありません。
昔は婚家先で三々九度の杯が普通で、神前結婚式は百年の歴史も
ありません。
仏前結婚式も時には執行しますが、百年昔の僧侶なら挙式の次第
も知らないのが普通でした。仏教徒の大半は神に対しても寛容で、
寺院経営の幼稚園でもクリスマスツリーは飾りつけます。
拉致問題について、国は丁重に賠償してあげることが大切だと
思います。
北朝鮮を私たちの常識で理解するのは無理です。飢餓に瀕してい
る人たちに人道上の配慮でお米を提供するのは、深く考えずにする
ことです。人口の二十分の一が軍隊という国家ですから、供給物資
を絶対に軍関係に回すなと言うのは現実的ではありません。
中国とは尖閣諸島、韓国とは竹島、ロシアとは北方四島と領有権
の未解決な懸案事項がありますが、黄色人種間の争いは兄弟喧嘩の
様相があります。
わけても韓国、北朝鮮とは円満にしたいものと願います。日本と
は密接に混交していて、仲良くしてもらわないと現実の日本社会に
矛盾が生じます。
拉致問題に関する世論は政治的には靖国問題と同じように踏み絵
の感じがするように思えてなりません。調査を根気良く続けてもら
うことと、国交の正常化は、並行して考えるのが平和と安定につな
がると思います。
小泉総理も大変です。中央銀行が銀行の保有株を買い取り、塩漬
けにするなんて、銀行の国債残高も八十兆円を超えたとか、これは
多分「花見酒」として歴史に残る物語として、経済を知らぬ僧侶も
心配です。ペイオフ延期なんて殺生な、折角良い人間関係を壊して
まで預金を分散したのに、揺れてます。
三十年前に何処かで銀行を利用者が選別する時代が来ると話して
笑われたことがあるけど、笑った人たちは先を見る目が無かったの
か、市場から半分は退場された。早く公定歩合を六%くらいにして
下さい。国債が買えません。
何だか困難なご時世で、話し過ぎて、筆記するのが難しいようで
した。
■株価が下がり続けて、銀行の保有する株価の価値が銀行の経営を
揺るがしかねないと、日銀がその株を買いとって当分塩漬けにする
とか。ペイオフ延期とか、本当に寒気がするようなことですね。
■私は資産らしきものは持たず、経済について語る資格はありませ
ん。どうして経済状態が上手く行かないのか分かりません。経済学
者が全て高額納税者であるなら本当に安心できるのですが。
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鈴の法話 2002-11月号-2
株価の下落傾向は日本だけではなく世界的
昭和初期の世界恐慌の再来を予感させます
このところの株価の下落傾向は連日のように続いています。国債
が怖くて買えない、株も怖い、下げの局面では、投資家たちも、
ふつうの人も、株を買うなんてことをしたら心配で安心して寝られ
なくなります。
日本だけに起こっている現象なら、日本の経済が良くなれば回復
に向かうでしょうが、日本の政府がいろいろ手を打っても影響は
少ないと思います。
アメリカは株を運用することが日本よりは普遍的になっているの
で、国民はもっと大変だと思います。
老後の蓄えを失ったアメリカ国民はどのようにするのでしょうか。
日本版401k確定拠出年金は、それほど普及していなかったのは
不幸中の幸いかもしれないと思うことがあります。
確定拠出年金の特徴は、自己責任で自分で運用するもので、株価
が下落すると大損をするリスクがあります。
確定給付は、勤続年数が長いほどもらえる年金額も多い反面、
転職すると、退職一時金として支払われるものの、その後も勤め
続けた場合にもらえる年金額と比べると、大きく減ってしまう仕組
みです。
確定拠出年金は、3年以上勤務すれば、それまで払ってきた積立
金を転職先に移すことができる。転職先に確定拠出年金がなくても
「個人型」に入れるから積立金は無駄にならない。従業員は転職し
やすくなり、企業もリストラに取り組みやすくなるそうです。
日本人には株を運用することには慣れていません。多分に戸惑い
を感じるのが大半だと思います。
今後は厚生年金基金から基金型企業年金に移行するケースが増え
そうだといわれますし、確かに年金基金も将来が危ないと聞いてい
ます。
だからと言って普通の人たちが資金を運用して上手く行くでしょ
うか。
このようなことを言うと、時勢に逆行しますが、夜安心して眠る
ためには、朝起きると価格が変動しているような性質のものには
関わらない方が、幸せな人生を送れます。相場に手を出される方を
沢山知っていますが、本当に浮かれるような嬉しい時もありますし、
見通しを誤って、資産の全てを失う人も珍しくありません。利息が
零になってもコツコツと貯金する方が楽です。
生き物を飼っていると放置して外出はできません。躾けが悪いと
噛み付いたり、餌が切れると死んだりしますが、相場に咬みつかれ
ると大怪我をしますし、紙切れになることは有り勝ちです。
株式市場や為替、商品先物市場などの重要な経済的機能は良く
理解していますが、自然の四季の変化に比較して、波乱に富んだ
生涯に成りがちです。
国民全部を相場師にしてはならないと思います。連日株価が
バブル以後最低を更新していると、人々全部が元気が無くなります。
世界同時株安で、投資や投機をやって人が多い国ほど国家的規模
の損失になります。
最近、アメリカのイラクに対する宣戦傾向は株安と無関係では
無いと考えることもあります。テロの撲滅は大義名分があります。
イラクのクェート侵攻は理不尽なものでした。これは電撃的に
反撃されてアメリカの力、武力を誇示することに役立ちました。
かつテレビゲームにも似た様相がありました。
アフガニスタンの制圧は無人の攻撃機が大活躍して、アメリカ
相手には戦争をしたら大変だと世界中に知らしめたような報道が
ありました。
アメリカの攻撃力の革新は戦争の都度、格段の進歩を遂げてい
ます。日本企業も貢献しているようです。
他国を圧倒できるか否かは、戦争を実際にしてみなくては分か
りません。口の悪い人はアメリカの軍需産業を維持するためには
武器の賞味期限がある内に使わなくてはならないのだろうと言い
ます。軍需産業はアメリカの基幹産業だと言う人もいます。
妄想的批判は別としても、大統領の演説を聴いていると、軍事
力の行使に何時でも決断できる方のようです。
悪の枢軸国と名指しされ国家にとっては、核兵器や細菌兵器を
生産することに大変な抑止力になりそうです。
二十世紀百年の間に様々な戦争や紛争があり、第二次大戦後、
概して日本は静謐であり、戦争を放棄したり、自衛隊ができたり、
日米安保条約が締結されたりしましたが、比較的に恵まれていま
した。多くの日本人が知らないところで人道が蹂躙される理不尽
なこともあったのは残念なことです。
多くの日本人は、きつい言葉で言えば、平和ボケをしています。
北朝鮮に拉致された関係者の思いについてどのように受け止める
か、北朝鮮の飢餓や臨戦態勢のこと、ニューヨークのテロ、その
後のアフガニスタンの国民の状態、イスラエルとパキスタンの緊張、
その他にも貧困や飢餓、衛生などの問題で多くの人々が苦しんで
います。
これらの問題についても、他人事とと思わずに考えたいものです。
■キリスト教に十戒があるように、宗教は全て「殺生」を禁じて
いると思うのですか、何故に「上に立つ人」が戦争をしたり、
拉致とか、大量破戒兵器を製造させたりするのは、理解できせん。
P
■宗教は死んでしまったのかと思えるような世の中ですが、宗教
に因らないまでも「相手の立場で考える」ような思い遣りの心で
物事が判断されないのか理解が難しい不思議な時代ですね。
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鈴の法話 2002-11月号-3
世界的に株価の下落傾向が止まりません
暗い話が多い中で日本人二人にノーベル賞
世界恐慌突入を思わせる経済状態
イラクの情勢は石油高騰を招くかも
平成十四年十月十日、このころ株価の連日下落が止まりません、
銀行は保有株の総額が低くなり、自己資本の内容が極端に悪くなり、
公的資金の強制注入がなされるかもしれません。
銀行も大企業も今後は破綻が有り得ると新内閣の竹中担当大臣の
発言があって、所謂「竹中ショック」といわれていますが、これは
大臣発言が引き金、というような単純なことではなく、金属疲労が
深刻な世界経済の全体に小さなヒビが無数にできて、一部が破断し
つつある音でしょう。
ヒビが大きくなって、国債が紙切れに、株価が暴落、あちこちで
会社が破綻したり、銀行のシャッターに取り付けが殺到するとか、
年金の振込みが遅れたり、公務員の給与が滞ったりするような事態
になるかもしれません。
多分そのようなことにはならない、赤信号も皆で渡れば怖くない
と考えていたら、皆殺しになりかねません。
私は終末論的なことは絶対に言わない、できれば楽観的に、そし
て努力すれば、頭を働かせば難局は乗り越えられると固く信じてい
て、皆さんが不安に取り付かれないよう、夢と希望をもたれて生き
て行かれるために、祈りを捧げるために生きています。
そのような意味ではノーベル物理学賞に東大の名誉教授や、化学
賞に島津製作所の平社員の研究員が受賞なんて話題は大きな光明に
思えます。
拉致された生存者五名が、北から一時帰国されるのも複雑ですが
朗報です。
最近、堰を切ったように閉鎖的国家の情報がテキストとして出版
されていますが、それらの真贋(しんがん)を評価することは私たち
にはできません。閉鎖的な国家の国民は、情報操作が徹底的になさ
れていて北朝鮮の人々は七年前に日本から米五十万トンの救援食糧
が送られたことなどは殆どの人が知っておられません。拉致問題も
報道されていません。
これは戦時中の日本のラジオや新聞の報道ぶりを経験されている
方々なら容易に想像できる状態です。
イラクのフセイン政権も情報操作がなされている国家です。この
国々の内部では、自国が一番良い国であり、他国は悪い国として、
叩き込まれます
結果として軍備を拡大し、核武装やミサイルの開発などが計画さ
れたり、疑惑をもたれたりします。
核兵器保有国は拡散する傾向で、インドやパキスタンは、既に核
装備が充実しつつあります。
イラクも、核兵器や生物兵器の開発疑惑がささやかれ、アメリカ
がイラクの武装解除を検討し、それを大義名分として戦端が開かれ
るかもしれない大統領の決断があるかもしれません。
この決断に、日本は現行の法律で協力できないかもしれません。
法律を上手に解釈して協力するかもしれません。
戦争の起こらないことを願うのは、双方の市民の立場からすれば
当然のことですが、アラブ諸国で産出される原油価格の高騰は必至
であり、日本経済も大きな打撃を受けるかもしれません。
打撃を受けるのは日本だけでは済まず、世界中に投資されている
産油国のオイルマネーが凍結を恐れて引き上げられると米国も欧州
も大打撃を受ける可能性があります。
イラクは、万一の時はイスラエルを攻撃する可能性があり、イス
ラエルも反撃します。最悪の場合は、イスラエル・米英国連合と
PLO・イラク連合の戦争にまで泥沼になる可能性も全く否定する
ことは難しいと思います。
世界的な株安傾向、金融不安を予測することは不気味なことです。
さりとて、無辜(むこ)の民は経済にも無辜の民であることが考えら
れ、対策の立てようがありません。
強いて助言するとすれば、風評で右往左往しないことが大切です。
■話は変わりますが、私は「鈴之僧正」と呼ばれて大きなブランド
になっていますが、観音院の「東京別院」が軌道に乗れば、追って
責任者の「加賀勧善さん」に襲名してもらうことも考えています。
現在別院設置の準備を周到に進めてもらっています。
多くの方々も協力してくださり、良い結果を期待しています。
名古屋にも、観音院の事務所を置く計画で、準備をしています。
忙しい時は重なるもので、「まことの道」も「観音院常用経典」と
して改訂版を編集する必用もできて、健康を損なわないように努め
たいと考えています。
現在、観音院のご本尊さまは金剛界大日如来ですが、胎蔵界大日
如来さまをお迎えしたいと願っています。
ものごとは自然にまかせるのが良いと思います。私ごとですが、
ダイエットは八kgで、このあたりで放置して、余り考えることも
無く、脳があることも頭があることも感じません。夜は早く寝て、
朝は六時ころに起床して、何処も痛いところはありません。
■北の国のことを、日本国民はほとんど知らないし、日本のことを
北の国の人たちも殆ど知らないのが現実。今冬は日本も渇水予報、
北では一段の渇水で、飢餓状態は更に酷くなるかもしれない現実。
■健康問題は一応、クリアしました。さりとて、加齢による劣化は
避けられません。後は、み仏さまの思し召し次第。できるだけ
養生しながら大切に過して行くことが義務だと考えております。