人には何か求めているものが有るはずなのですが……

法主さんは「他人の悪口、告げ口は聞かない」と言われて、例外
無く、ご自分で会って話し合われて、ご一緒に食事をして、この世
に悪人はいないとの結論をもっておられるようです。
 寺の業界紙などは一切参考にされることはありませんし、他寺院
のことなどには全く関心がありません。

 周囲が一番困っていることは、良いものは良い、悪いものも良い
という同じ答えで、褒めることはあっても貶すことはないのです。
何か欲しいものがあるなら求めてきて、さしあげたいのですが、
これで十分との一点張りです。
 話をされる場合も事前に何を話すか考えられることは一切ありま
せん。ですから、後で筋が通った話になっていたかと、多少は気に
されています。
 負担になることは、一切請合われない方で、先の約束は絶対され
ません。

 一見して行動は殆ど発作的に思いつかれるようで、予定を立てて
行動されることがとても苦手のようです。
 ただし、待ち合わせのときは、十分か二十分前には、その場所に
行かれるよう努力されていて、相手の人を待たされるようなことは
ありません。
 遠方ですと前日には目的地に着いておられるのが普通です。朝夕
の混雑する時間帯は避けておられます。
 ふつうの人と著しく異なる点は、用意のとても良い人で、旅行に
は眼鏡と時計と携帯電話を二つ持っておられます。
 物は壊れる、人は病気になったり、死ぬこともある、どのように
努力しても約束は守れぬ場合がありますね。
 何種類かの常備薬を服用されていますが、一泊の出張でも二週間
分くらいは余分に持参されています。風邪薬や目薬などは必携で、
除菌ティッシュペーパーまでご持参です。

 外出から帰られると、先ず手洗い、洗顔、ウガイ励行で、綺麗
好きです。
 風呂は烏の行水で、温泉に浸かってという傾向は全く無いそう
です。風呂場やトイレからもテレビが見えます。
トイレはウォシュレットを発売直後から使用されていてトイレの
紙では何枚重ねても清潔は保てないといわれます。
 風呂もトイレも使用中は扉が半開きで、万一気分が悪くなって
も外へ転げ出ることが可能なように用心しておられますが、面白
い習慣ですね。

 運動に努力しておられますが、暑い日や寒い日、雨天などに
外出はされません。
 天気は西から変化しますので、天気図はインドくらいから様子
を見て、行動を決めておられています。
 新幹線が遅れることも飛行機が飛べないことも有り得ることで
す。そのような気象条件で宿泊設備を探すような困難はできれば
避けたいといわれますが、一週間以上先の天気予報は当たらない
のが普通です。ですから、将来の予約は無理です。来訪の予約は
来週の場合でも受けられます。

 全ての行動は、み仏さまの配慮と思われていますので、仏前で
礼拝されない方とは「ご縁が無い」と決めておられて、できるだ
け避けられます。
 約束は絶対に守られて破られることはありません。だから自信
が無い約束をされるのは無理なことなのです。
 今年の夏は特別に暑く、少し体調を崩され、特別講座のお話を
ひかえられるといった椿事がありました。私たちが知る限り、
三十年に一度のことです。

 ツケや今度来た時、カードによる支払いもされません。死後に
請求書が来るようなことは恥かしいのだそうです。
 約束の強烈なものは債務の履行ですが、だから借金はされませ
ん。日程管理などは大変苦手で、ダブルブッキングなどは考えら
れません。管理と名の付くものは財産も職員も寺も何もかも大変
に苦手なのです。
 管理するのは、ご自身の健康も嫌なのではと思われることがあ
ります。何の約束も無い、何も持たない、誰からも催促されたり、
ああしろ、こうしろと言われない、完全に自由でありたい、死ぬ
自由も大切にしておられます。

 法主さんは思いやり深く、とても信徒の皆さんのことを常に気
にしておられますので、余分なものに気を使われる余裕が無いの
が本当の姿です。
 皆さんが観音院で願われたことは、その願いが成就することが
お仕事になります。
 亡くなられた方の霊魂が迷わぬように導くことも大切なお仕事
です。
 趣味などは何ももっておられません。いろいろと器用なことも
なされますが、全ては救済の手段として身に付けられたもので、
特に贅沢も質素も望まれてはいません。その時その時が大切で、
その時に全力を尽くし、寺の運営などは日常些細なことかも
しれません。
 大変に難しい概念ですが、観音院の第十五世住職であった歴史
的事実までも、できれば面倒で、消し去りたいようなことと思っ
ておられるようです。名を残すことなど、全く考えてもおられず
毀誉褒貶に関心が無いようです。

■法主さんは何事にも拘束されず、自由に行き来し、自由に考え、
 ご自分とみ仏さまとの約束を果すことに、一身を捧げたいと強く
 願っておられます。それを保証したいものです。

■法主さんや住職さんは、法人の運営管理をされません。観音院
 は宗教法人で公益的運営責任は全てが役職員にあり、役職員は
 協力して観音院を企画維持運営する責任があります。

 文責・観自在編集部

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