観音院の日光菩薩・月光菩薩は法主さんが彫刻された立像で、檜の一本から彫刻なされたものです。四尺八寸の子安観世音菩薩の左右にお立ちになっておられます。優しいお姿です。
昔、観音院にはオフセット印刷機があったそうです。A三判の一色機だったそうです。それを使用されて、印刷された「奉書のカラー印刷の毘沙門天の裁断前の見当の付いた試し刷り」が大切に保存されています。
原画は法主さんの画かれたものです。これは、お寺さんの本尊さまとしてお祀りされています。仏像も仏画も非常に丁寧に細部に至るまで神経を張り詰めて彫刻し筆を下ろしておられます。
審美眼は高く、加えて、垂直水平の感覚は平衡水平機並です。左右上下で一㍉の傾きを指摘されます。
写経は般若心経で一時間半はかけて一心不乱に精魂を込めて書かれます。
瞑想も祈願も供養も、皆さんが想像されるより高い水準でなされています。
何よりも、観音院で依頼された事柄に常に気にかけておられます。これは観音院の専従職員の全ての傾向です。
専従職員は一信徒が寺によくお参りし、信心を重ねて運営の評議員になり、それから皆さまに可愛がって頂いて、始めて専従になれます。
専従職員は子供の頃から観音院に出入りして、寺のことは熟知しています。
未成年者は専従になれません。非行や刑法に触れると専従は解かれます。
サラ金や借金があるのも駄目です。
住宅ローンをかかえていても専従にはなれません。頂く手当の原資は全て浄財です。浄財を利息に当てることは禁止事項です。割賦、ローン、借金は全て認められません。
身辺が身奇麗なことが最低限必要な専従の条件になっています。
お食事については法主さんには好き嫌いがありません、出されたものは、全て食べられます。時に面白い人がいて、法主さんを試そうと、色々な事を考えられる人がいます。
一番困ることは、辛いもの、刺激の強いカレー料理等、匂いの強いもの、固いもの、熱い鍋物、氷で冷やしたものは寺では出しません。常温のものを好まれ、朝晩のお粥も十分に冷ましてお持ちするようにしています。
喫茶店で珈琲を注文されますと、氷のはいった水がついてきます。法主さんはこの氷を珈琲に入れて温度を冷ましておられます。
ところが、法主さんには絶対では無いのです、小豆アイスは好物です、ただ、サイコロ状に切って出します。
普通の人には考えられない事ですが、法主さんは骨付きの魚は大変に苦手で、鮎の塩焼きは骨を抜いて差し上げます。
骨が付いていると、法主さんは骨まで食べようとされます。魚によっては悪戦苦闘になることもあります。
原則として食器に装うものは、どなたにも食べやすいような、すぐに箸で持てるように配慮しています。
何でも食べられますが、焼き鳥は苦手のようです。面白半分の接待をなされると、その他のことは大丈夫ですが当分はお食事を一緒にされません。
私たちが注意していることは、味噌尽くしや豆腐尽くしなどの料理です。おじやに卵を散らしたもの、吸い物に卵を散らしたものも、好まれません。
何を間違って出しても、嫌とか、顔色には出ませんので、気を使います。
総じて小食です。普通の人の半分、巻き寿司で五つ、にぎり寿司で七つ、小さめなお結びで三つくらいです。
法主さんは真面目な僧侶です。
不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、
不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見
を護持されています。これは、目標で有って目的ではありません。私たちにも平易に説明してくださいます。
寛容で、少々の事で立腹されたり、ストレスの原因になりません。目的は、弘法大師、空海和尚の如く生きたいと考えておられます。具体的には「いたわり、慈しみ、思い遣り、相手の立場で考えて」行動される方です。
お弟子さまが増加するので、紋白や金襴の袈裟を十五組、調度されます。これには大変な金額を必用とします。費用の捻出で頭を痛めておられます。
加えて、生前に葬儀の予約を受けることを考えておられます。家の目に付き易い場所と、本人の財布に入れられる大きさのカードに、「この人に万一の事がある時は、観音院に直ちにお知らせ下さい。観音院の方で一切の面倒を見ます」と書いてあります。
最近は一人暮らしの方や独身で生涯を過ごされるという考え方の人も多く、需要が多いかも知れません。
あるいは、生前葬儀を勧めておられます。日本の葬儀は死後に義理で参列される人が多く、長生きすると、ご本人は散々義理を尽くされていて、相互扶助する機能の失われた葬儀も多くあります。生前葬は自分好きな歌手を呼んでも良いし、どんな企画でもホテルで楽しく執行できます。