専修学院では七月の初め頃、二学期より始まる四度加行[しどけぎょう]に入るために必要な資格である「受戒[じゅかい]」が、三日間に渡り行われました。
「受戒」は初日が初心の戒を授かる「菩薩[ぼさつ]戒」
二日目がこれから僧侶となる者が授かる「求寂[ぐじゃく]戒」
三日目に四度加行を受けるに足る僧侶に授けられる「苾蒭[びっす]戒」。大雑把な説明ではありますが、このような順番で「受戒」は行われました。
また各受戒の前には「仏名会[ぶつみょうえ]」と呼ばれる、過去・現在・未来の諸仏のお名前をお唱えしながら五体投地、懺悔する法会が有ります。
本来は三千仏をお唱えするのですが、専修学院では三百仏で行われました。
五体投地とは、右膝、左膝、右肘、左肘、額の順で地面に着け、両手で御仏のお御足を頂戴し、逆順に立ち上がるだけの単純な動作になります。
しかし御仏のお名前をお唱えしながら、全部で四百回近い礼拝を行うのは中々大変で、終わりには袈裟まで汗が染み出て来ました。
今回はそんな受戒の日についてお話を致します。
七月六日(月曜)仏名会・受戒
二時半:起床。ナッツ、干し梅、のど飴、前日に仕込んだ濃い緑茶を接種。
二十一礼拝、水行。
三時半:朝練のため班員を起こす。
四時:七十三期生が揃い受戒の入堂、進行などについての確認。後日行われる盆供の練習。
五時:朝勤。本日は受戒があるので般若心経一巻、諸真言と簡略なもの。
その後下座。配役者は受戒の用意を行う。私は本日の伽陀[かだ]師なので、前日から用意しておいたお供物(あんパンとオレンジ)のお供えしたり、緋毛氈[ひもうせん]や本堂の畳をセッティングする事に。
十五分と短いが、三日間通した配役者全員で協力し無事に終わる。
その後食事。本日のメニューは普段のご飯、味噌汁、漬物ではなく「お粥、クコの実、梅干、海苔の佃煮」といかにも修行と言った感じに。
七時:食事後、各班時間をずらしながら水行場にて丁子[ちょうじ]湯を浴びて身を清める。以降受戒が終るまでトイレに行く事は出来ない。
光然の高野山修行日記 ・十 前半