光然(こうねん)の高野山修行日記・一 後半

以上が入寮当日の様子となります。

その後、入学式の三月二十四日まではこれからの生活上必要となる基礎知識や、お経の次第を学ぶ事となりました。六時に起床の鐘が鳴り、六時十分より朝勤行が始まる比較的ゆったりとした、生活に慣れるための期間であったと思います。

学院の規則は夜八時までは自室外では足袋を着用すること。それ以降は寮舎でのみ、足袋を脱いでも良い(靴下は禁止)。下着は白のみ。電気スタンド、時計、髭剃り以外の一切の電化製品の禁止。などがありました。

この電化製品の禁止と言う規則は徹底していて、電子辞書は当然のことながら持ち込み不可。鼻毛カッターは微妙なラインながらも禁止となっていました。これから専修学院での修行の予定がある方はぜひ注意されて下さい。

さて話は変わって、三月も半ばを過ぎれば春の気配も濃くなり暖かくなって来るもの。高野山も例外ではないのですが、さすがと言うか日が沈んでからの冷え込みは広島市内とは随分と違います。晴れた日は特に気温の落差も大きく、空気はひんやりとしてきます。

そして一夜明け起床の時間頃となるとより一層キリキリと冷え、まさしく身の引き締まる事請け合いと言えます。
起き抜けの集会所の温度計が零度を示す日でも「今日は暖かいな」と少し気持ちが緩むことになって来るのが面白い所。十度近い気温から、いきなりの雪でマイナスに傾く事も多いので、寒い時期の体調管理は細心の注意が必要となります。

さて、今号から連載の始まった「高野山修行日記」ですが、修行生活での知りたい事、気になる事など等ございましたらお気軽にご質問ください。

一 終わり

タイトルとURLをコピーしました