五色の短冊

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七月の風物詩に、七夕には笹の葉に五色の短冊をはじめ、五色の菓子、五色のそうめんなどがあります。
おそうめんは盆供養によくお供えされる食物です。

この「五色」という色合いは、美しい色合いとして、もてなしの意味が込められた色合いとされています。「五彩」とも言われ、神佛への供物に相応しい彩り、という意味がこめられています。

み佛さまにご供養する御食事、その他の供物も「五色」を基本として彩りが工夫されています。

五色なますは大根や胡瓜、人参などの種々の色の野菜を細く刻んで、三杯酢などで調味して作ったなますを言います。

五色揚(ごしきあげ)は季節の彩り良い野菜を、油で揚げて皿に盛った揚げ物で、よく精進料理として接待されます。

佛具などにも五色を基本として配され、み佛さまに相応しい荘厳として定められています。

佛教では当初は、色に関する戒律があり、白・赤・黄・青・黒は「五正色」として、み佛さまに属する色とされ、修行の僧たちはこれらの美しい色を用いるのを慎んで避けていました。

五色の組み合わせには、美しい緑や紅蓮華色、金色などと入れ替えられることがあります。古来、紫や緋色などは官職の高位を表す色として尊重されました。

経典によると、五色は五佛(ごぶつ)、五智(ごち)などをあわらす象徴とされています。

白い大日如来、赤は宝幢如来、黄色は開敷華王如来、青は無量寿如来、黒は天鼓雷音如来の標識の色とされています。

み佛さまに相応しい色々は、この世を荘厳し、人の心を安らかに導いて下さり、ご守護頂ける吉祥色としてあります。