佛教談義

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花とほとけさま

寅さん  私たちはご仏前や、ほとけさまに花を供えて拝みますが、これは、仏法の大慈悲は草木にまで及ぶ、という教えと矛盾(むじゅん)しているように思いますが、いかがでしょう?  なぜなら、仏前に花をお供えするには、無心に咲く可憐な草花を摘ん...
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慈雲尊者のこと

 ----「コノ「邪見(じゃけん)」、数多ケレドモ、要ヲ取ッテ言エバ、「断常(だん・じょう)」ノ「二見(にけん)」ニ過ギヌ。「断見(だんけん)」ニ、イロイロアレドモ、マヅ、善ヲ為(な)シテ、善ノ報(むくい)ナク、悪ヲ為シテ、悪ノ報ナク、神ト...
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祈願成就の良い年でありますように

寅さん  ずっと以前も、大般若経(だいはんにゃきょう)転読(てんどく)について、ご隠居にお訊ねしたことがありますが、新しい年を迎えるにあたって、もう一度あらためて伺います。  なぜ、大般若経は「読誦・どくじゅ」でなくて、「転読」なんでし...
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方便の効能

寅さん  私たちは日常、その場しのぎの間に合わせとか、言い逃れなどに、「うそも方便」といった便利なテを、しばしば使うことがありますが、そのような姑息(こそく)なことを、ほとけさまは、本当におやりになることがあるんでしょうか? ご隠居 ...
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村の小童が作った仏像を壊した愚かな男の話

極楽の居住性 寅さん  諸悪莫作、衆善奉行(しょあくまくさ、しゅぜんぶぎょう)。  これは、近頃やっとこさ憶えて自分のものにした言葉なので、あえて知ったかぶりして使わせてもらいましたが、この言葉の意味は、悪いことをなすなかれ、善行につと...
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中有の五蘊

ご隠居  きょうは「神識」のことについて少し話してみようか。 寅さん  神識(じんしき)? ご隠居  仏教では、人間存在の根底をなす意識の流れ、魂のことを神識(じんしき・生きとし生けるものに具わっている心識、霊妙で不可思議な心のはた...
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お寺の存在意義

もう一つの三界(さんがい) 寅さん  のっけから不祝儀の話で申し訳ありませんが、葬式のとき仏式では読経(どきょう)のほかに引導(いんどう)という儀式がありますが、あの引導にはどんな意義があり、またどれほどの仏果(ぶっか)が得られるものな...
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心と仏と衆生は一緒

もう一つの三界(さんがい) ご隠居  前回話した「三界唯一心心外無別法 心仏及衆生是三無差別」というあの文言のことだが、あの「三界唯心(ゆいしん)」の仏説というのは、あとで調べてみて分かったのだが、どうも釈尊みずからがお説きになった言葉...
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涅槃・少欲は涅槃

涅槃(ねはん) 寅さん  きょうは涅槃についてご隠居にお伺いします。  涅槃(ねはん)という言葉の意味ですが、一般的にいって、この言葉をみんな分かっているようでいて、じつはよく分かっていないんじゃないかと思うんですが、ほんとうのところ、...
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仏教の初門、人の依報は家庭

寅さん なんでも仏教には人天教(にんでんきょう)というのがあると聞きましたが、それはどういった内容のものなんです? ご隠居 仏教のいちばんの特徴は過去、現在、未来につらなる三世の因果(いんが)、善悪の業報を説いていることで、これが他の...