長い間僧侶をしていると不思議なこともあって 誰に相談しても自分で考えてみても分からんような

【院家さん】 四月六日に常の如く早朝に礼拝を済ませて、ふと本尊様を拝むと、膝に赤い物を載せて居られ、よくよく観察するとルビーらしい。

それから利剣不動様を見ると、石鹸のような巨大なエメラルドをお持ちになっておられます。よくよく見ると、萬倍七福神の下に御饅頭くらいの大きさのブルーサファイアが二個置いてある。

日光菩薩様と月光菩薩様は、両手で大きなブルーサファイアをお持ちになられておられる。

【寅さん】 それはまた、珍妙な。何とも言えない不思議なことだな。誰が持って来られたか、いつ何時持って来られたか、何も分からないだろう。

昔、偉い御坊様は必要な物は宙から拝み出すと言う話を聞いたことがあるが、もしや院家様が拝み出されたのではないかな。

【院家さん】 いやいや、そんな必要性は無いので、宝石を拝み出したりするようなマジシャンのような真似は絶対にしないよ。

【寅さん】 どれもこれもデカいなあ。化粧石鹸くらいの大きさがあるよ。外から飛んできたなら、建物のどこかに大きな穴が開いていて爆弾が落ちたような音がしたに違いない。
専門家に見て貰って、鑑定してもらったらどうかな。

【院家さん】 凡人はすぐにそんなことを考えるから困ったものだ。ほとけ様保護の為に赤外線が何十本も走っている。その中に物を持ち込む事は絶対に出来ない。しばらくは、或いは永久的にみ佛のお宝とし大切に保管する必要があるな。
売り買いしないのだから、価値なんて全く無しのと同じだな。

寺の什器備品として、帳簿に載せるかどうするか、悩んでいるところだ。

住職さんと一度持ち出して写真を撮りましたが、大変に心が痛みましたよ。

【寅さん】 観音院と言う寺は、不思議なことが起きるのだな。どう扱うか、次の役員会で決めて貰いなさい。
それにしても奇妙なことが、不思議なことがあるものだな。ありがたすぎて。話にも何にもならない。

【院家さん】 いや全くその通りだ。絶対にあり得ないことが起きた。明日朝にでもなければ、全部消えてしまっているかもしれないな。

こんなことに関わるのは御免だな。だからそのままにしておくよ。

ご覧にならたい信徒様は、参詣してまじまじとご自分の目で確かめられると良い。とにかくありがたくて、大変に困ったことが起きた。

【寅さん】 院家さんは自分の興味が無いことには詮索されない人だったな。あのままそっとして置いておくのが院家さんらしいことだ。

今年は春から観音院には色々と良いことが続くな。礼華さんの輿入れもそうだし、目出度いことは色々あるよ。

「観音院の巨大宝石」の写真は月刊観自在 平成27年5月号 9頁をご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました