金融機関は変わったが寺は代われない

二月八月は昔から仕事が少ない暇なことが多いと言われて来た。

正五九も慎み深く過ごす方良いと言われることが多い。一年の半分は悪いことになるのだろうか。

悪い月には前もって厄除けの祈願をされる人が多い。その祈願の後でお話を聞くことが多い。

最近は金融事情が不気味なくらい変化している。貸付金を一度整理しましょうと銀行に言われて、当然に続いて貸してもらえるものと信じて、親戚や借りれるところから借り集めて、一度に纏めて返済する。次の借入の書類も渡していることだし、それでは宜しくとお願いすると、長年の付き合いのあった担当者が転勤で、次の担当者は何も聞いていないと言う。

要は貸付金を引き上げられたのだが、当然に資金繰りが悪くなって不渡りとか倒産と言う最悪の結果になる。夜逃げや自殺や大変な事態になる。その苦しみは地獄をを見るようで耐え難い。

困った時の神頼みと言う諺もあるが、お寺さんなら慈悲のお金があるかもしれないと縋られる。

毎日平均して十件、平均五百万円で、要望に応ずるなら月に十五億円の貸し出しをする寺になる。

若し要望に応ずれば寺は午前中に経理が破綻する計算になる。

金融機関の変化は、ほとほと愛想が尽きるが、さりとて「お寺」は金融機関にとって代われない。

企業は利益の追求を目的としているが、観音院は公益を目的としていて運営は皆さんの意見でなされる。金銭の運営は役員会の決議を必要とし、私や法主が勝手に貸付をすれば、業務上の背任、横領の罪に問われる。

観音院の場合は三万円以上の支出については適正か否か常勤監事の監査が必要になる。

三万円以下の支出は?

些少の金額といえども、監事が寺院の運営目的に反すると認めた場合は法主さんが供託された寺院運営公正保証金から倍額が寺の会計に自動的に振り返られます。これは例を見ない厳格な制度で、寺の運営を恣意に出来ないよう極めて公益性を高くしてあります。

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