観音院の日常は正確と親切で 年中無休、こつこつと奉仕する

大概のお寺さんは多分年中無休だと思います。ですから、年中無
休は珍しいことではありません。
 しかし、参詣者が一人も無くても、毎日午前十時、正午十二時、
午後二時と三度の法要をしている寺は珍しいことです。

 観音院でお坊さんとして登録しておられる方、約二百名、交替で
法要を営まれます。
 信徒さんの数は約十万人、日々生老病死があって正確には把握で
きません。
 このお寺を維持する費用は年間約一億円、寺のお知らせは約一万
二千部。
 ホームページは約一ギガもあり、閲覧してくださる方は膨大です。
日本語版と英語版、フランス語版があります。

 観音院の代表は住職さんです。住職は代表役員でもあります。
責任役員は十名、評議員は五十名、監事三名、教師総代は七名です。
 専従職員は全て評議員か常勤監事です。

 ところで観音院の法主さん、鈴之僧正とも、鈴さんとも、極端な
場合は「すーさん」とも呼ばれています。
 自然にというか、当然というか、これらは愛称です。さりとて
「ご隠居さま」とも呼べない現役バリバリです。
「師匠」と言う人も増えています。
 カリスマと呼ばれるような予言や奇跡を行なう超能力はありませ
ん。ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、支配の三つの類型
として、合理的(合法的)支配、伝統的支配とともに、カリスマ的
支配をあげています。
 優しいとか慈悲深いと言う存在で、支配という概念に馴染みません。

 法主さんも住職さんも、二十四時間一日中、寺の業務に従事して
おられます。休日は一日もありません。
 お二人ともみ仏さまの「しもべ」という言葉がピッタリです。
 観音院はたくさんのみ仏さまがまつられていて、庫裏(くり)住居
に相当する部分がありません。

 飲食店に例えるなら、料理人が営業終了後は厨房(ちゅうぼう)
に寝ている。寝る時間もろくに無いので、お客さんがいない時は横
になり、注文があれば起き上がって調理する、しかも繁盛するお店
で、寝る時間があまり無い感じなのです。

 携帯電話は文字通り紐です、番号を公開されても良いそうですが、
これは無理です。読経中や相談中には携帯には出られません。
 観音院には十回線の電話があり、皆さんから電話があると用件に
応じて、職員が出来ることは職員が相談に乗りますし、職員の能力
や職権を上回ることは住職さんにつなぎます。

 法主さんは住職さんを補完する立場で、良く相談しておられます。
喧嘩口論のような遣り取りは一度も見たことがありません。

 しかし、ご一緒に旅行されるようなことはありません。万一事故
などに遭遇しても、片方が無事にいて、法要などの執行に 支障が
起きないように注意して行動しておられます。

 住職さんと法主さんは表裏のような関係のように思っています。
 大きな法要では導師(どうし)を務められる住職さん、法要をし
て続いて法話をすることは体力的に無理が生じます。
 法話は法主さんがなされる場合もあります。法要を分担しておら
れます。
 互いに身体具合を庇(かば)い合いながら、良く打ち合わせをし
ておられます。

 観音院の特徴は、毎日、法要を執行し皆さんの相談に乗ること、
月刊観自在を毎月発行すること、テレホン法話は毎週吹き込むこと、
毎日、試算表とバランスシートを夕刻五時までに打ち出すこと、そ
れを、何十年も維持する努力をしていることなどです。

 単純なことですが、職員はしばしば息切れをしそうになります。
沢山の人たちが職員になり、去って行かれましたが、ある意味では
観音院は「休息と癒しの場所」でもあり、通常の退職とか、解雇に
該当する例は無く、癒されて、自立されたと受け止めるのが適切だ
と思います。

 真面目に業務に精励すれば、手に職が付きます。マックの最新機
種とか、彫刻機、カッティングプロッターなどもありますし、今般
も「寺子屋パソコン教室」の再開を検討しておられます。
 画像処理やソフトの専門家について勉強することも可能な環境で
す。全ての人に食品衛生責任者や防火管理者の資格を取ってもらい
ますし、旅行の好きな人にとっては観音院について知識が深まれば、
日本中はくまなく、世界中を業務で旅行することも可能です。

 職員は良く勉強することが希望されています。勉強の機会は幾ら
でも考慮してもらうことが可能です。
 お寺の仕事は自発的にするものが大半で、言い付けられたことを
するのではなくて自分で探してします。

 そもそも、不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、
不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見を広めることは、労働法基準法や
給与、待遇規定に馴染みません。
 慈悲深く・優しい人を育てることに日曜祝日はありません。日常
の生活の全てが寺院の専従職員としては当然の務めです。

■観音院と他の寺院の非常に異なる点は、この寺が信徒さんの
 所有に帰すものであって、決して僧侶の所有や住処(すみか)
 では無いところです。観音院は皆さんのお寺です。

■観音院はとても活気のあるお寺です。この活気は皆さんの出入り
 が多いことから感じられるものです。同時に、ほっとするような
 癒しのある、不思議な雰囲気があるようです。

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