般若心経を護持する意味<前編>

【院家さん】 般若心経の意味が良く分からない。「こればかりは百辺読んでも意は通じない。暗唱しても分からない。簡単そうで難解を極める。寅さんでも空で唱える事が出来るだろ」。般若心経を見ずに書くことが出来るか。

【寅さん】 暗記してございます。書けと言われたら自信が有りません。意味となるとただ有り難くて、さっぱり分からないのです。 院 それは困ったな。般若心経を唱える前に開経偈を読むだろう。

無上甚深微妙法(ムジョウジンジンミミョウホウ) 百千萬劫難遭遇(ヒャクセンマンゴウナンソウグウ)
我今見聞得受持(ガコンケンモントクジュヂ) 願解如来真実義(ガンゲニョライシンジツギ)

つまりはとても有り難いお経に出会えてとても嬉しい。これからは良く聞き、良く見て考えて、如来の説かれるところの真実の理を解きたいと願います。・・・心得だな。

続いて懺悔文

我昔所造諸悪業(ガシャクショゾウショアクゴウ) 皆由無始貪瞋痴(カイユムシトンジンチ)
従身語意之所生(ジュウシンゴイシションショウ) 一切我今皆懺悔(イッサイガコンカイサンゲ)

これでまあ、知ると知らざると犯したる所の罪障を懺悔して、赤子のような綺麗な気持ちになって仏法僧に帰依しますと誓ったうえで十善戒を護持する事を誓約するのだな。それから般若心経になる。

般若心経が終わって

願似此功徳(ガンニシクドク) 普及於一切(フギュウオイッサイ)
我等與衆生(ガトウヨシュジョウ) 皆共成仏道(カイグジョウブツドウ)

で終わるな。
一番最後は般若心経をお唱えした功徳をもって遍く一切の衆生に及ぼし、私と皆さんが一緒に幸せになれるようにします。

前と後ろが分かれば般若心経の説いてある事が大体見当がつく。般若心経の意味は・・・

頌(ジュ)に曰く

真言ハ不思議ナリ(シンゴンハフシギナリ) 観誦スレバ無明ヲ除ク(カンジュスレバムミョウヲノゾク)
一字二千理ヲ含ミ(イチジニセンリヲフクミ) 即身ニ法如ヲ證ス(ソクシンニホウニョヲショウス) 
行行トシテ圓寂ニ至リ(ギョウギョウトシテエンジャクニイタリ)  
去去トシテ原初ニ入ル(ココトシテゲンショニイル) 三界ハ客舎ノ如シ(サンガイハカクシャノゴトシ) 
 一心ハ是レ本居ナリ(イッシンハコレホンコナリ)

これは般若心経秘鍵に説いてある。

【寅さん】 あれまあ、もっと難しくなりました。これを教えてくれるの院家さん。理解できないかもしれないね。

<後編へ>

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