皆さんには正装の金襴も必要、紫衣も大切

托鉢(たくはつ)をするには、鉢が必要です。法主さんはが托鉢されていた時代の鉢が大切に保存されています。
 いつも着けられる法衣(ほうえ)も袈裟(けさ)も黄色一色、金襴(きんらん)は備品としてあります。
 日本の僧衣は宮廷の仕来りから発展したものが多く、観音院には切袴(きりばかま)等も丁重に調えてあります。緋の衣(ひのころも)もありますが、将来の観音院の後継者が着けられれば良いでしょう。
 観音院には法主用を含めて十一名分の金襴が夏冬用意してあります。今年はお弟子さん用に十組か二十組は購入することになりそうです。東京だけでも最終的には百組は必要でしょう。
 僧侶の持ち物は、「十八物(じゅうはちもつ)」と定められています。
1、楊枝(ようじ) 歯の清潔を保つ。
2、澡豆[そうず] 洗剤です。
3、三衣(さんね) 昔の法衣のこと。
4、瓶[かめ] 水筒ですね。
5、鉢(はち) 三衣一鉢(さんねいっぱつ)や衣鉢という言葉も。
6、座具 寝袋みたいな物、布切れ。
7、錫杖(しゃくじょう) 金の輪の付いた音のする巡錫用の杖。
8、香炉 御仏に供え、自らを清める。
9、漉水嚢(ろくすいのう・袋)、飲み水を漉(こ)す袋。
10、手巾[しゅきん] 手拭い。
11、小刀 剃髪・爪切り、裁縫用。
12、火打石 マッチ、ライターの類。
13、毛抜き 鼻毛などを抜くため。
14、携行用の椅子。
15、経巻。
16、戒本。
17、菩薩像。
18、仏像。
 僧侶の持ち物でこの十八の以外の物は「無用の長物」と言いました。
 三衣は、外出時の大衣(だいえ)と、礼拝(らいはい)に用いる上衣、日常使用する下衣です。
■法主さんの持ち物、携帯電話一つを見ても、ナビゲータ、カメラ、メール機能付き、注意深いのでしょうか、地震の下敷きになった時や非常用の笛を常時持たれています。鍵にはボタン電池で点滅したりする小さな懐中電灯を付けておられます。
 鞄の中には、袈裟・数珠・経本の三点セット。バンドエイド、消毒除菌ティッシュ、目薬、抗生物質や医薬品。裁縫セット。怪我などの鎮痛剤。下着類等三組。シックの剃刀、発泡石鹸、香料とリップクリーム。携帯電話用の補助電池を入れておられます。
 お坊さんの大切な資質は、清潔と健康です。お洒落は望ましいことです。大正時代までは僧侶は人前に出る時にお公家さんのようにお化粧していたことがありました。剃髪(ていはつ)は毎日でなくとも月の五の付く日とかで良いのですが、法主さんも住職さんも毎日剃っておられます。
 そして、なるべく日焼けしないことが望ましいことです。口髭は無い方が望ましいのですが、昔のお坊さんにはカイザー髭を蓄えておられた方がありまして、個人それぞれの考え方しだいでしょうか。髭の有無よりは頭や顔面の手入れ如何が大切です。
 有髪を認められた時にはマニキュアも同時に認めておられました。僧侶や尼僧は自分自身が仏を荘厳する「供物」であることを忘れてはいけません。
 法要前は、厳かな結婚式に臨むような心がけであれば合格です。
 読経は歌手が舞台に立つような真剣さと緊張感が必要です。法要の参列者に感動を与える心を込めた読経、法話、美しい動作が必要です。
 当然に日常の修練が大切になります。世間の動きに注目し、分析し、観察を怠らず、常に助言者でなくてはなりません。読経や法話、所作は「芸術」であることを忘れてはいけません。
 仏に供養するのに富と権力と示したいなら金襴緞子を、或いは質素無欲を強調したいなら相応の法衣を付けることは大切です。どちらも可です。
 み仏さまにご自分のネックレスやブレスレットなどをお供えされることは可です。大日如来さまの宝冠は、宝飾業者に特注して、金やプラチナ、ダイヤ・ルビー、サファイヤなどを使って良い物をご供養したいと話し合っています。
 応接で使用する茶器はマイセン、コップはバカラ等を用意する決まりです。心を込めて良い物を供養し、良い物を使用するのは「饗応」の基準です。
■観音院で使用する水道水は全て塩素が完全に除いてあります。
 俗に「美味しい水」として、門前の水掛地蔵さまのところに、どなたでも渇きを癒して頂く目的で設置していましたが、撤去しました。
 残念なことですが、二リットル入りのペットボトル五十本はいいとしても自転車では安全運転は無理です。
 ポリタンクで一トン単位でトラックで持ち帰られるのは営業用。実は塩素分は浄水器で完全に除いてあると保存は無理です。余程の清潔さを保障されない限り危険なことです。
 果ては、水汲み場に陣取って礼拝の妨害をなされても平気で居座って動かれません。信徒さんではありませんので、仕方ありません。
 信徒さんには、お水を差し上げますので、法要の始まる前にペットボトルを受付に出してください。よく洗って詰めて差し上げます。
 お寺の接待は安全清潔になされねばなりません。

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