燈火に向かって明るい将来を創る

燈籠供養を考える
■万物をはぐはみ育てる太陽は、大日如来さまとして象徴されます。
 希望の光と言われますが、仏前の灯明は、み仏さまを映し出し、
慈光はわたくし共にそそがれます。
 これは灯火、灯明、燈籠を捧げた人の真心が、み仏さまを美しく
荘厳して、み仏さまの慈悲に映って拝見することができるわけです。
灯明、お明かりは、神仏への供物として最上とされます。

■お釈迦さまは出家され、修行、成道ののち、各地を遍歴して人々
の相談にのり苦しみや悩みを救われ、幸福に導びかれました。
 お釈迦さまが来られてお話をしてくださることを聞き付け、その
土地土地の人は、各自が分に応じて、ご仏前を明るく照らす燈火を
用意し寄進したと伝えられます。
 王や領主の灯明は堂内が煌煌と明るく、老女や貧女はせいいっぱ
いの燈火を寄進し、説法を聴いて感激し、喜びに満たされました。

■燈籠は奈良時代から寺の照明として使われ、後に神社や民家でも
使われるようになりました。
 ご先祖や亡き精霊に明かり供養する「万灯供養」「灯籠流し」は
各地で行われるようになりました。
■広島では毎年八月六日夕刻から原爆投下近くの川面で犠牲者追悼
の灯籠流しが厳かで有名です。
▼「灯籠流し」には精霊をお浄土にお慰めするという意味と、迷わ
れるご精霊に仏法の慈光を届けるという意味の二つがあります。
 燈籠の「燈」と「灯」は同じ字です。籠と篭は同じ字でどちらも
「とうろう」と読みます。

■観音院では、み仏さまご宝前、寺内各所に安置されるお燈籠には
全て電球が入っています。参拝者が多く、常夜灯も兼ねていますの
で、安全な電光が使われています。
 お内陣やご本堂内の周囲を荘厳する皆さまからのお燈籠の輝き、
燈籠供養など大きな儀式やご葬儀の「献灯式」ではご参集の皆さま
におローソクに火を灯して燭台にお供えして頂いております。
 諸仏諸菩薩諸善神、ご先祖さま、ご精霊さまの御霊に捧げられる
美しい灯火でご本堂は荘厳されます。

▼十月の日暮れは、夕焼けも美しく、観音院の近くは、周囲の山
の向こうの団地へと灯火が続き、実に美しい町並みが続きます。
 秋晴れの一日、美しい夕焼けから薄暮、そして家々の明かりが
灯り、暖かい暮らしの電灯、家族の帰宅を待つ家の灯火、平和な
街灯の輝き、、、皆さまの日々の幸福な生活をお祈りいたします。

■先月号プレゼント当選者発表■
 観音院で得度を受け仏門に精進される加賀博さん(僧名・勧善)
は経営コンサルタントとして活躍されています。千社以上の実績
をもたれています。
 その著書「脳内活性法-自分らしく生きる-恒友出版」を五名様
にプレゼントでしたが、応募多数により抽選の結果、
 東京都 上田 幸夫 様
 町田市 梶原 英子 様
 広島市 恩田 甫  様
 広島市 好村 静子 様
 広島市 池田 厚子 様
にご送付いたしました。

読書親しむ季節

■十月二十七日からは読書週間。僧侶の一日も朝の勤行(ごんぎょ
う)教典の読誦、作務(さむ)から始まります。
 観音院の常用教典「まことの道」は解り易い日常語で説いてあり、
ふりがなも付いていて、大きめな文字版もありますので、どなたに
も声に出してお読み頂くことができます。
▼中学や高校などでも朝十分間の読書で先生や生徒の学力が増し、
落ち着きが出て、効果を上げているようです。
 ご家庭でも、幼児の時から読み聞かせ、親子で読書の時間を少し
ずつでも持たれるようにお勧めします。
 本や教典を声に出して読み、それを自分の耳で聞くことが、暗記
や脳の活性化に効果があります。
■繰り返し読むことで「意を体して」いざという時の正しい判断や
より善き行動ができます。

お燈籠を見上げて

 お燈籠の中には、自らの人生の目標達成のために、決意と誓いを
こめて将来への光明としてかかげられたお燈籠もあります。
■先日、流行りの茶髪の若い男性が燈籠奉納を申し出られました。
「長年親不孝をして、亡き母親の供養のために」と言っておられま
した。「お燈籠の輝きを見ると母に詫びてられて、会えるような気
がする」と言われていました。

■宗教の混迷が続き、仏教も衰微しつつあると感じられている中で
最近、観音院に参詣される若い人たちや家族連れが着実に増えてい
るのは喜ばしいことです。
 ご供養の心、亡き両親や子供さんのご菩提(ぼだい)を祈る心、
水子供養、動物供養、さまざまに哀悼の心を捧げておられます。
 就職成就のお願いや、交通安全や車のおはらい、結婚祈願など、
人生を真面目に考えている、勤勉なお姿が見えます。
▼お燈籠を供養する。供養という意味は三宝や先祖、死者の霊、親
や師匠に供物を捧げること。追善供養・施餓鬼供養・開眼供養など、
さまざまな種類があります。
(供養や祈願に関しての個人情報の秘密は厳守されていますので、
 安心してご参拝ください)
▼目標を掲げて、願望の成就(じょうじゅ)ため一心に精進される、
み仏さまのご加護を願われて、自らの将来への明かりとして燈籠を
供養される方も少なくありません。

▼皆さまから依頼のあったご祈願やご供養を毎日、敬虔に熱心に、
朝十時、正午十二時、午後二時の法要を続けて執行させて頂くのは
大変に難しいことです。継続してみて、初めて理解出来ることで、
燈籠供養の功徳(くどく)も同じように思っている次第です。

十月のプレゼント
 近年話題になっている「トルマリンのネックレス」三十本を月刊
観自在にご寄贈いただきました。
 トルマリンは電気石ともいわれ、石色は黒から紫、赤、黄、無色
まで多様な彩りがあります。
 皆さまへのプレゼントとして頂いたネックレスは黒石を基調にし
て色石が入っていてシックな感じです。二重にするとブレスレット
としても良い感じです。
 寄贈頂いた真心と皆さまのご多幸をご祈念し、プレゼントします。
 ご希望の方は、ハガキで副住職会宛に十月五日までに、ご住所・
氏名・郵便番号・電話番号、月刊観自在の感想などを添えてお申し
込みください。
▼皆さまからの俳句や短歌、川柳、写真、絵、手芸などご投稿
も随時お待ちしています。

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