激動の年でしたが、有難う御座いました

日本に住んでいたり、日本で仕事をする以上は、日本の法律を
遵守(じゅんしゅ)することが何よりも大切なことです。今年は
不祥事が続き、多くの政治家、企業などが信用を失い、訴追され
る大変な一年でありました。加えて、行政も後手、後手にまわる
ことが多く、国民の多くは、政治不信となり、投票率が下がり、
心配なことです。
 これから日本は、どのようになるのか、日はまた昇ると信じて
疑わないというようなことから国民の将来を考えたいのですが、
生きて行く上での、最低の倫理がおろそかにされる傾向があり、
単純に嘘を言わない、約束を守る、誤魔化したり盗んだりしない
ことを再教育をすることが、再生の鍵であるように思います。
                      (田川純照筆記)

  嘘は絶対に言わないことを考える
     何事も誤魔化さないことを考える
       約束を守ることの大切さを考える

 言葉は大切な約束です。子供が最初に覚えるのは親の呼び方です。
今日は赤ちゃん、私がママよ。という歌詞の一節がありましたが、
日本の普通の家庭でママとかパパと呼ぶでしょうか。
 言葉の混乱は、後々に重大な影響があると思います。オイチイと
幼児語を使う成人は問題があると思いませんか?。

 日本語の混乱は、和製英語の氾濫と同じように無茶苦茶なことに
なっています。幼児に特別な幼児語を使用する必要は全く無く、
若し二ヶ国の言葉を教えたいなら、親も二ヶ国を使う必要があり
ます。
 言語は、生活習慣で覚えることが大切で、親が日本語しか話せな
いのに子供を外国語の塾へ行かせることは意味の無い親の見栄だと
思います。

 子供を育てる上で大切なことは、環境を清潔にすることです。
子は親を見て育つものです。乱雑な環境で育てると、物を乱雑にす
る性格になりがちです。
 親が良くないことをして、それをしない方が良い、と判断して
育つのは難しいことです。子供を育てる技術は大変に難しく、子供
に望むことを親がして見せることが大切です。「親を見れば子供が
分かる」と言うことは当たらずとも遠からずというのは本当です。

 兄弟姉妹がいること、多いことは幸せな場合が多いようです。
一人の子を育てるよりは、二人の子を育てる方が楽でしょうか。
成人すると親族の少ないことで悲しみや楽しみを分つことができず、
さみしいかもしれません。

 最近ですね、孤独でさみしいと嘆く人が、とても多いようです。
少子化の影響が父母よりも祖父母を孤独にしていると感じることが
あります。現在の父母が祖父母になった時のことを想像すると怖い
ような気持になります。
 子供一人は大型電算機を上回る脳を持っています。子供が増えて
兄弟愛があれば、優れた協力家族となります。
 ところで、電算機にはソフトを入れないと役に立ちません。教育
は、脳に沢山の情報と処理能力を与える行為で優れた先生が必要な
ことは昨今の最大の重要事と思います。
 もちろん、教育は、家庭と学校の両方、更に学べる社会の仕組が
充実されなければなりません。

 今般の日本のノーベル賞を受けられたお二方が、謙遜して出来る
学生ではなかったと言われることは、勉学や努力を決して否定して
おられるものではないと受け止めるべきだと思います。

 良い先生に恵まれると、教えられた科目が好きになる、好きこそ
ものの上手なれという諺の通り、先ずは良い親に、続いて良い先生
に、更には良い職場に恵まれると望ましいことです。

 日本を優れた教育国家にすることが急がれます。日本を最先端の
技術、最先端の農水国家、最高の文化国家、世界一の医療国家、
優れた福祉国家にする努力が急がれます。精励努力が疎かにされる
傾向が一部で見られるのは将来の国家像に不安を感じます。

 親が子供を思う気持は、とても美しいものです。
先生も子供を思う気持を、世の中も「いたわり、慈しみ、思いやり、
相手の立場で考えて行動する」あたたかい心、奉仕報恩の気持に
皆さんが燃えて欲しいと願います。

 子供を教育するにあたっては、親が嘘を吐かない、約束を守る、
誤魔化さないなどの親の態度が必要です。基本的な倫理を持たない、
親は幼児と同じです。
 幼児的な親が子供を育てる、幼児的先生が子供を教育することは
無理なことで、現在の社会は幼児的です。
 どうすれば幼児的社会を成人社会にするか、倫理を大切にするこ
とです。

 子供を粗末にすれば、親不孝社会になります。親不孝社会は子供
を大切にしません。大変な悪循環です。
 子供が二人以上いる家庭をつくる、貧しくとも大切に子供を育て
る。子供に嘘を吐かない、約束を守る。子供に真似をされて困るこ
とは止めましょう。

■今年は皆さまに大変にお世話になり恐縮しています。僧侶、専従
職員、役員一同心からお礼申し上げます。
 一生懸命に皆さまのご多幸を祈願し、ご供養いたします。宜しく
ご指導をください。

■子供と親の間には、白紙の契約書があります。どのような内容を
書き込むかは親に大きな責任があります。親と社会の契約書は最初
から用意されています。この契約は遵守する習慣が大切です。

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鈴の法話 2002-12月号-2

道徳心が高くて、頭の良い家という風評
       このような評判は組織にも大切なことです

 他人の口に戸は立てられない、と言われます。世間の毀誉褒貶を
一々、気にする必用はありませんが、悪い風評は立てられない方が
良いですね。
 成功すると、妬みは付き物です。
 しばしば県民性として「足を引っ張る」傾向があるといわれます
が、日本全国が同じことです。もしかすると人類全部かもしれない
と思っています。

 成功と嫉妬は一対の関係です。一人が成功する陰には、そこまで
到達できなかった人が必ず存在します。企業が成長するにつけて、
吸収合併または廃業に追い込まれる企業と経営者や従業員がいます。
弱者の立場になった人の心情は複雑です。
 現実社会では、善人が必ずしも成功するとはかぎりません。

 幸不幸の極端な例は選挙です。一票の差に泣く人もいます。公職
に立候補する人は大変に勇気のある人で、幸せを願うなら、余程の
確信が無いかぎり立候補してはなりません。多くの公職にある人は
人間不信に陥っておられます。多額の選挙費用は公職在職中の所得
を上回ります。
 落選しても次の選挙では雪辱「(辱(はじ)を雪(すす)ぐの意。
以前受けた恥を、仕返すことによって消し去ること。現代では多く、
競技などで前に負けたことのある相手を破って、負けた恥をすすぐ
ことをいいます」を考えます。「雪辱戦」という言葉があるくらい
です。落選することは恥ではありません。
 落選を恥とか損失と考える人は公職に立候補すべきではありませ
ん。最近タレント候補、と蔑視する人たちもいますが、当選すれば
実力があったのです。
 望ましいのは世襲議員、次は仕事で成功してからなら実害が無い
でしょう。

 選挙が完全に公営になって私費が一切必用無い制度が良いですね。
市町村議員には公設秘書二名、国会議員には十名くらいの公設秘書。
誰の秘書になるかは籤引きで決めると良いでしょう。

 そのような制度には弊害もあると思いますが、秘書の身分が安定
します。秘書も選挙制度にすると良いかもしれません。特定の人の
秘書になるとして選挙すれば、賑やかになるでしょう。特定の人が
落選すれば、秘書も連座して落選する。私は選挙が嫌いなのです。

 どうぞ、立候補するから宜しく、なんて寺に来ないでください。
応援する人は信徒さんに決まっています。現職優先です。選挙目当
ての信徒さんはいて当然です。選挙に立つから信徒になると言って
来る人はいませんから見分けが付かず仕方が無いことなのです。
 自然な形で信徒さんの票を得るのは大変なことで、支持されるよ
うになられると立派な信徒さんで、選挙目当てとは言えないでしょう。
 どちらにせよ、公職に立候補されるには自然の成り行きが必要で、
かつ素質があり蓄えも必要条件です。

 観音院の僧侶は政党に従えない信仰の教義がありますから、公職
に立候補することは不可能です。私(鈴之僧正)は公職はおろか、
一切の役職に就けません。寺の役職にも就いていません。み仏さま
以外に拘束されることは不可能です。

 選挙で支持する人はあっても、支持する政党はありません。善悪
のほどは理解できませんが、当選者の多い政党と偶然に一致してい
ます。
 選挙権は大切な権利です。投票率が下がる傾向は良くありません。
俗に浮動票と呼ばれる票も投票しないことよりは貴重な一票です。
政治に関心を持ち、支持する候補者を持つことは大切なことです。
 公職に立候補をされるにつけては、失っても良い資産があること、
円満な家庭であること、人望があることが最低の条件です。当落で
喜怒哀楽を感じさせるような表情を浮かべないことが大切です。
不幸な決断にならないよう、よくよく考えて決断してください。

■子供に何かの技能、歌う、踊る、楽器を演奏する、絵を描く、
書道を極めさせるなど、きわめて幼児教育が大切です。合わせて
道徳教育が必要です。 良い言葉、悪口を言わぬこと、嘘を吐かぬ
こと、約束を守ること、何れもご両親が鏡です。
 奉仕の精神も、苛めをしないことも、動物愛護も、ものを大切に
することも、勤勉であることも、親が見本を示して教えてください。

 いたわり、慈しみ、思い遣り、相手の立場で考える、ということは、
三歳児でも可能なことです。毎朝、住まいの周囲を掃除すること、
このような小さなことから「世のため人のため」という考え方が
育ちます。子供に沢山の玩具を与えると、整理整頓ができなくなり
ます。食べ物を与え過ぎると細胞が肥満を記憶し、太り過ぎになる
場合もあります。
 幼児期は身体言語機能の発達は著しく、自己中心性、未分化性、
情緒中心性などの特徴があるとされます。親が幼児期の特徴のまま
では大変です。
 年齢を重ねるに連れて、「大人の心」を持つように学習したいも
のです。大人になって純粋ならともかく狡猾で怠惰で、人間関係が
熟成できないと悲劇です

■倫理的であるためには、子供・幼児期からの教育や環境をはじめ、
親の生活態度が重要です。十善戒は子供にはよく理解できません。
大人が幸せを求める時に、欲望の善悪の分別にはきわめて役立ちます。

■不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、
不慳貪、不瞋恚、不邪見、は「道標」です。
 できるだけ横道にそれないようにするための修行し、幸せになって
くださるよう祈ります。

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鈴の法話 2002-12月号-3

ご近所の評判や勤務先での評判を大切に
    誠実で勤勉で周囲の人に信頼される人に

   あなたの毀誉褒貶は大切なことです
       なるべく善い人だと言われるように

 私(鈴之僧正)は、毀誉褒貶なんて屁とも思わないと言ってきま
したが、最初からそのように思っていたわけではありません。
 どのように悪く言われても、落ち込むこともなく、どんなに褒め
られても別に嬉しくもない。このように思えるようになったのは、
どんなにひどい誹謗中傷に出会っても、どのように褒められても、
身辺に動揺が無く、確実に信頼されて、何も崩れたり何か得をする
ことも無い、私自身に変化が無いからです。無茶苦茶な報道をされ
たこともありますし、その新聞の編集責任者から丁重に詫びられた
り、褒めまくられて多くの人に期待されて迷惑したり、それは色々
とあったものです。

 今までに沢山の報道関係者に取材されましたが、一番困ったのは
私の署名 原稿を捏造されたことです。改正宗教法人法に反対との
趣旨でしたが、、、観音院が、現在の宗教法人法に適合するように
寺院規則を改正したのは随分昔の話でした。現在の「評議員会」も
責任役員会も「監事制度」も「財務と運営の公開」も古い話で、
反対する原稿を書く理由がありません。大勢は反対でしたので、私
も、その仲間に勝手に入れられたのです。

 観音院は二十五年前から電算化に取り組み、基幹業務は寺の内だ
けで運営して、外部からは厳重に遮断していて侵入し個人秘の資料
などは絶対に持ち出せません。
 その他の業務も、月刊誌の電算編集など、寺の隅々までデジタル
化されています。結果は高い評価を得ることができました。正しい
見通しであったのは幸運です。

 加えて、必要な物も蓄えができるまでは購入しなかった、借入金
や買い掛け金が皆無という方針は安全であったと安堵しています。
余剰金は現金で株式や債権などに投資はしていません。

 購入支払いは現金であり、レンタルしている機材はありません。
リースに比較すると大略半額の費用です。
 職員も割賦とか消費者金融で借入れしている者は皆無です。宗教
に従事する者が、借金取りや債鬼に追われては精神的に修行は無理
なのです。
 同時に金銭の貸付は、人間不信や万一の場合は債鬼になるわけで
戒律として厳禁されています。
 借入れ金返済の約束は厳しく履行を迫られるもので、債鬼に追わ
れると地獄に堕ちたようなものです。将来の収入を先取りして消費
することは、健康で、事故もなく災害に会わず、会社も破綻しない
という楽観、有りえぬ筈ですが、アメリカは大変だそうです。

 脱税せず、法に触れず、借金せず、約束せず、ただただ皆さまの
ご祈願と有縁無縁のご精霊(しょうりょう)のご供養をして、皆さ
まの相談に乗っているだけの日常ですから、毀誉褒貶も誹謗中傷も、
私には何も実害は起きず、気になりません。
 これと言って欲しい物も無く、立場にも、お寺にも、み仏さまに
も、信徒さんにも、生命にも執着はありません。
 僧侶に人気なんて必要もありません、お布施の金額など知る立場
にありませんし、金銭の出入りは、個人的には有るだけで済まし、
余ればお寺に戻します。

 私には壮大美麗なる寺院を建築するような意向は全くありません。
寄付を勧募する能力がありません。現在も、住職になって欲しいと
頼まれている寺がありますが、引き受けません。

 十善戒は個人的な戒で、広めることが、皆さまの幸せにつながる
からです。善事に執着することは悪事をなすより、より悪いことに
なることもあります。

■何はともあれ、私は皆さまの庇護(ひご)の元にあります。今年
は、いいえ、今日まで大変に大切にして頂き、感謝したくも適当な
御礼の言葉もありません。
 本当に良きご縁を頂きました。我が侭で、無責任で、勝手な行動
をなし、言いたい放題で今日まで過して来れました。皆さまは大変
に寛大で、奔放もしばしばあった私を観音院に置いてくださった、
有難う御座います。

 年末にかけて、できれば掛かり付けのお医者さんに予約して風邪
の予防注射を受けてください。
 加えて車社会、自動車の運転は十分な車間距離を取り、急発進、
急停車を避け、左折の際は自転車などを巻き込まぬよう、右折には
対向車に注意し、一旦停車の表示が有る場所では、必ず停車して、
安全運転には十分に注意して、無事故運転を心掛けてください。

 十二月から年末の厄落とし、年始の「厄除開運祈願」が執行され
ます。大般若転読法要は、十二月一日の第一日曜日の午前十時から
執行されます。
 法要は年中無休の、午前十時と正午、午後二時の三座、大晦日は
午後十一時頃から年越し法要、続いて新年第一座の大般若転読法要、
真実と正義と皆さまの多幸を念じ、熱い祈願で免疫を高め、皆さま
とご一緒に困難を乗り越え、多くの幸せを生み出したいと切望いた
します。

■今年はいろいろとひとかたならぬご支援を頂き真に有難う御座い
ました。心からお礼を申しあげます。来年も引き続きまして宜しく
ご指導、ご鞭撻賜りますよう一同心からお願い申しあげます。
   P
■熱い祈願は僧侶と皆さんの免疫力を高めます。一生懸命の礼拝は
自己能力を高めます。大いなる知恵と、継続する力を身に付けて、
ご一緒に努力して困難な世の中を乗り越えて参りましょう。

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