母親の殺意を維持した子供の生命保険金

人柄も普通、職場の評判も上々という女性が我が子に薬物を与えて殺害し、保険金を受け取り、続いて次の子供の殺害を図り、病院から告訴されて逮捕された。

看護にあたる女性が我が子の病床に付き添って、医者の目を盗んで点滴の容器に肺水腫を起こして死に至る薬物を投与していた。

常識では考えられない行為で警察も困って精神鑑定に回したそうだが、誰もこの女性の行動を理解することは出来ないだろう。

以前に同様な方法で二人の子供を死なせ、二千二百万円の保険金を受け取った前歴があり、三番目の犯行で母親の殺意を直感した子供が医師に告げて、医師が病状から母親の殺意を認めて告訴に及んだらしいが、医師も俄には信じられず、母親が付き添った後の病状の変化などを慎重に観察して母親の犯行を疑ったらしい。

人を殺してはならないことは人なら誰でも知っていることで、ここで不殺生を説くつもりはないが何とも理解し難いことだ。

もう少し捜査が遅れると、母親は三千万円を手にする筈だった。

子供を普通に可愛がっていたそうだから、何年間も殺意をもって育てているとは考えられぬが、実際にこの母親は再三薬殺を行動に移しながら生活していた。

殺意を維持したのは保険金を受け取り、それで生活を営むことであって、真面目に仕事をするように我が子を殺そうとした。

最近、保険金目当ての殺人とか放火など、保険にまつわる犯罪が増えているようだ。

人が死ぬと悲しい、家が火事になると生活に困る。それを保険金で埋めようとすることに大きな疑問を持つ。本当に保険制度は必要なのだろうか。

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