必要なものは天から降って来る、地から湧いてでる

お住まいの環境について、あれこれと申されたことは一度もありません。
 着るものにも食事にも、衣食住には関心をお持ちになっていないようです。
 冷夏であろうと、極寒であろうと、不足は申されません。ただし、お出かけの時は天候の穏やかな日が大半です。

 財布も携帯電話も全部ピンを付けて衣服に止めておられます。物を紛失されることはありません。ワイシャツには全て胸の左右にポケットを付けられていて、これは世間に普及したら良い便利な工夫だと思います。ワイシャツのプレゼントは多く、福屋の神戸シャツに寸法があります。
 どのような柄でもお召しになられますが少女のブラウスみたいな可愛い柄も平気で着用されます。
 香料は、最近はシャネルのエゴイストプラチナムが多いようです。沢山有ると直ぐに何方かに何でも差し上げられる習慣です。時計も、多い時は十個も溜まる場合がありますが、片端から入学祝いなどに差し上げられます。
 現在のお気に入りはカシオの電波時計で、宝飾系は好まれません。時計は時間が正確に合っていれば良いのです。
 時たま貴重品を法主様に下さる方がありますが、宝飾品は全てみ仏様に差し上げられます。観音院み仏様はとてもお洒落です。

 法主さまは物や金銭に執着されることは見たことがありません。株とか先物のように価格が日々上下するものは見るのも触るのもお厭らしいです。
 大切にしなければならない物は全部嫌悪されています。
 大切なものはみ仏様の教えと信徒さんの心だけだと常々言われていまして、失って困る物などに気を使われたくないのでしょう。

 法主さまは皆さんの生涯をみ仏様より大切に思われています。職員は全員が防火管理者資格を持たされていますが、万一の際は「火事だ、逃げろ」だと叫ぶことと避難誘導が一番だと言われます。何よりも人命第一に考えておられるようです。人の霊魂は人に宿り人の人命と霊魂を同等に考えられます。

 それでも趣味はと聞きますと「人」だと言われます。確かに沢山の人との関わりをもっておられて、それが趣味と言うより残された唯一なのです。
 これは私のもの、値段が日々変わるような相場とか株式などは嫌悪されていると良いと思います。
 物事に精通することは大事だが、それは観音院に関係することだけ、趣味をもって凝ることが「あるまじきこと」と考えておられます。美術品も骨董品も「豚に小判」みたいなものです。

 専門書籍は意図的に購入を依頼されますが、ご自分が読みたい書籍よりはお弟子さんたちのためです。昔、七年間も大蔵経の中で過ごされたことを聞いていますが、書籍は大切にされます。密教大辞典や仏教大辞典、大漢和辞典などは三代目にあたります。

 法主さんの拠り所とされる方は「お大師さま」と慈雲尊者さま(じうんそんじゃ)です。慈雲尊者さまは三百年ほど昔の人です。著書は膨大ですが、中でも「十善法語」は法主さんにとつては生涯最大の影響を受けられたそうです。
 観音院が十善戒のお寺と呼ばれるようになったのはそれからです。

 不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見を慈雲尊者さまは慈悲、高行、貞潔、正直、尊重、従順、交友、知是、忍辱(にんにく)、正智と説かれました。
 これが観音院で「全てに愛を、光と祈り」になり、「いたわり、慈しみ。思いやり、相手の立場で考える暖かい心」にとなっていきました。

 会合開始の時間は観音院では電波放送の時報のように正確です。法主さんが会合などで約束された時間に遅れられたことは知る限りでは過去に一度三分間だけです。それもタクシーで九百六十円の距離で三十分前に予約しておられたのですが、突然の雷雨でタクシーが十五分遅れたのが原因です。それを雷雨のせいでもタクシーのせいでも無いと、とても反省しておられました。
 天変地異も約束を破る原因として責任転嫁はなさいません。観音院は一度供養をお願いされると、最低三十三年は供養をしている証明として冊子「観自在」を毎月ご送付しています。

 約束は破らない、観音院は支払いは原則として現金払いであり、恒常的な取引ではその月分をその月の二十七日に銀行に振り込んで今日があります。
 接待などで利用される会員式のお店でも、ホテルなどの飲食も宿泊代も全て現金です。クレジットカードはお持ちですが、その割賦機能を利用されたことは一度もありません。

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