子供を凍死させ全部自分の責任と語った母親

宇都宮市に住む女性は三年前に妊娠、彼に伝えようと電話したが転居先不明。出産しても二年間届出を出さず、生まれた女児を抱えて生活に困窮、電気ガスも止められ、二週間も何も食べずに暖房の無い中で女児は凍死。

この女性の両親は死亡していて頼れる親戚も年金生活の方が一人だけ。保護を受ければ児童手当てなどを含め月額約十八万円の給付も受けられた。平成不況の中とは言え何とも残酷な出来事。

新潟県柏崎市で発見された十九歳の女性、拉致監禁されて九年間も警察の捜査網に掛からなかった。

母親は以前に警察や保健所に監禁した息子の家庭内暴力について相談していたが、保健所が立入り調査して発見された。

十歳くらいから十九歳まで暴力によって制圧され自由を奪われ、学習する機会を失った女性の精神の社会復帰には心身共に重大な障害が刻みこまれている。

どちらの例も、向こう三軒両隣の昔の良き人間関係があれば防げたと考えられる。

近所付き合いだけでなく多くの町内会が崩壊しつつあり、隣の人が何をしているか知らないことが普通のようになりつつある。

警察の捜査や福祉関係者の対応がどうのこうのと言っているのではない。このように表面に出ないところで多くの悲劇があるのが日本社会の病理のように思われる。

善し悪しは別として、何とも言えない孤独な人たちがいる。言いたいことも言えず、何故に不幸の中で沈黙を続ける人たちがいるのか考えてみたい。

相互扶助・相互礼拝を説く僧侶の立場では辛い現実だ。

悪いことをする他人の子供を叱れる大人になろうと東京都知事が言っていたが現実には困難なことである。寺の墓場でお供えの酒を飲み喫煙している高校生を見たが、とても怒る勇気が無かった。

皆さんのお寺を維持する立場では仕返しが怖いから。

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