失業者五パーセントは最悪の傾向で危機的

■戦後の日本は技術革新・大量生産に重点を置いて伝統産業の保護
育成についてバランスを欠いた政策があったように思います。
▼金銭至上主義というか拝金思想というか、異常な経済効率の重視
と倫理道徳観は調和を欠きました。

▼個人の尊重は度を過ごして孤立した人間を大量生産しました。
▼権利の主張ばかり強調されて、義務は放棄される傾向です。
▼快楽勝手主義がのさばって不倫という言葉が安易な男女関係とい
う変な日本語になりました。
■経済が落ち込んで政治が混迷する時は倫理道徳も退廃します。

▼親の恩、師の恩、社会の恩という概念が無くなり、親の勝手に子
供の勝手、個人の自由と言い換えられる場合もあります。生徒の勝
手も凄いものですが先生の勝手はそれに勝ります。恩々なんてどこ
か遠くに行ってしまいました。

▼バブル崩壊までの経済的成長に日本人の人格や精神の成長は比例
しませんでした。経済が危機に瀕しても貧すれば鈍するような傾向
で困った日本人の劣化です。
▼刃傷沙汰や幼児虐待、無差別殺人など犯罪の凶悪化、低年齢化が
進み、この世の神さまともいうべき判事が弾劾裁判にかけられるな
ど、オマケにエリート中のエリートの外務省の一連の公費費消など
世も末といった感じです。

調整インフレ待望論

■自民党の某新参議院議員ら三人が日銀総裁に調整インフレという
かインフレターゲットを定めて金融大緩和を求めて公開討論を申し
入れ、あっさり断られて、馬鹿の見本をやってのけました。子供の
冗談なら別として、調整インフレなんて乗りこなせる政権も人もい
ません。株価は市場に任せるという総理が正論。現在の不況は現政
権の責任というよりは過去の政権や経済活動全体の結果で、調整イ
ンフレなんてモラルの破綻です。
▼景気の刺激や過熱・冷え込みを金融政策だけで左右できると考え
るのは危険です。世界的な経済の冷え込み傾向の中で日銀が暴走す
れば日本は破綻します。
 人口の増加が、日本の努力だけで食い止められないのと同様で、
地球的規模で経済不具合が生じているのです。

▼通貨危機だけは避けたいものですね。日本の経済も不安ですが、
アメリカ経済も不安です。ドルは基軸通貨ですから影響が円よりは
深刻です。ドルの傾向も観察することが当座の大事です。昭和の初
めに大きな金融恐慌があって、その時も銀行が取り付けにあったり
しましたが、世界的な経済不安、もしかしたら恐慌かもしれません。

▼現在の生活水準を維持しようと思うと、こととしだいでは死にた
くもなりますが、倹約、質実、誠実を土台にして、健康に留意して
生き抜いてください。知恵と工夫、創造が鍵になると思います。

荒れる学校に注目

■小中高校が荒れています。いじめ、暴力行為、未成年者の喫煙、
不適切交際などなど。暴力行為も先生に対して行われるものも激増
していて、先生も教育を命がけでしなくてはなりません。警察官の
大量増員が計画されていますが、各学校に駐在警官を常駐させるく
らいの対策が必要になりそうです。

▼先日、法主(ほっす)さんが川岸を散歩されていると橋の下で喫煙
をしている中学生と鉢合わせされて何かをいわれたら喧嘩寸前の雰
囲気だったそうですが、全員が逃げ出したそうです。一部始終を見
られた信徒さんが「根性勝ち」かもしれないが、法主さんを一人で
散歩をさせてはいけないと注意を受けました。
 丁度その頃に関東のお寺の副住職さんが暴走族らしきものたちに
殴り殺されるという痛ましい事件の報道が流れまして、私どもは法
主さんに「もう二度とあのような無謀なことは止めてください」と
お願いしたような次第です。
 子供たちに睨まれたら困るから今後は慎むといわれましたが、も
しかすると私どもが間違った大人かもしれません。

■その時に法主さんが言われたことは「早く逃げろ馬鹿もの」だそ
うで、我が子と思えば放置することができなかったそうです。
 この続きがありまして、その後、散歩で出会われると、「あの時
はありがとう」と彼らは頭を下げて礼を言われたそうで、法主さん
の咄嗟の応酬話法は絶妙で何かの誤解ですね。
■世の中を悪くしているのも学校が荒れるのも大人の責任です。

■この度の経済的困難はどうも世界的規模のようで、戦後の各国の
 成長と負の遺産のうち負 の遺産が表面化したように思います。
 どのように克服するかは各国の努力次第でしょう。

#欄外31P上横書き#
■教師が教檀に立つに当たって暴力を危惧する必要が現実的になり
 ました。皆さん、いろいろ批判する前に学校に行って自分の目で、
 現在の学校の現状を把握して考えてください。  

プレゼント・クイズ
■不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不
慳貪、不瞋恚、不邪見を、身体と言葉と心の戒に分けてください。
■回答が分かった人は官製はがきに書いて十月五日までに観音院副
住職会に必着するよう投函してください。速達や私製はがき無効。
■賞品は「降魔五鈷杵(こうまごこしょ)」を正解者から抽選して
十名さまにご祈祷の上、差し上げます。

■応募の約束■
 複数大量応募は、無効とします。応募は観自在一冊につき一枚。
宛名の名前と住所でお願いします。
■当選者のご多幸と健康を二十一座祈願してご送付させていただき
ます。当選の発表は次号末尾で。

因果応報(いんがおうほう)と三世(さんぜ)

■今月号の因果応報については、従来まで説かれていましたことを
そのまま紹介してあります。
▼これについて、法主さんから次のような注意がありました。
 前世に於いて不善をなして今世で報いを受けて不幸があるとして
も前世を反省することも改善することも不可能であり、前世までさ
かって詮索することは無意味であるから、止めた方が善いそうです。

 現在の境遇は現世の結果であり、また現世で不善をなしても人が
来世で牛や馬などに生まれ変わる報いは受けることは無い。
 現世で徳を積み、現世で果報を受けることもあり、受けないこと
もある。
 悪いことをしても繁栄している人もあれば、善いことをしていて
も不幸なこともあるのが現実だと。
 自分が輪廻を信じるとしても霊魂の不滅を信じても、自分の前世
とか来世などと軽々しく語るべきでは無いと否定的に説かれます。

 人は生まれ変わるとしても、人以外の動物に生まれ変わることは
無い。前世の記憶を持って現世に生まれ来ることは絶対に無く、現
世の記憶を引き継いで来世に生まれ来ることも無いそうです。
 この世に生命を受けた子供は全て人間としての尊厳をもって生ま
れて来ている。子供は親を選んで生まれることは叶わず、親の境遇
は浮き沈みがあるもので、親もまた四苦八苦の内にあり、生まれ来
た人は生老病死の四苦の中にある。

▼成長するにつけて、苦が増えて八苦となる。人は知恵と技術で苦
を乗り越えようとして文明開化とつながり、宗教は真実を知ること
により苦からの解脱を得る場合を期待している。
▼人は信ずる宗教によって死生観が異なり、人は信ずるところに、
来世を求めるのが良い。

 太陽系の惑星誕生以来、約四十五億年、悠久と広大無辺の歴史を
考えるとき、地球の誕生から月の生成、海が形成され、水母(くら
げ)やシダ類の時代、大陸の生成、哺乳類の発生など次第に見てい
くと、人が生まれて来て未だそれほど時は経っていない。氷河期も
あったし温暖化の時代もある。
 そして現在は石油系の資源の枯渇が憂慮され、人は原子力を使い、
最近では遺伝子操作によって医療をする行為を営むようになった。

 ささやかな存在の人についてはいずれ、稿を改め。

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