大日如来さま・お初穂祭

■大日如来さま■

 観音院の本堂の中央にお祀(まつ)りされます大日如来さ
まは、真言宗の教主(きょうしゅ)でいらっしゃいます。
 その名は、マハー・ヴァイローチャナといわれ、マハーは
大、ヴァイローチャナは太陽の意で「偉大な太陽」を大日と
漢訳されました。音写では摩訶毘盧遮那(まかびるしゃな)、
語意から、大遍照如来(だいへんじょうにょらい)とも漢訳
します。
 お大師さまのご宝号「遍照金剛」は、伝法灌頂(かんじょ
う)の時、有縁(うえん)の守護仏が金剛界・胎蔵界とも大
日如来さまであったことから授けられました。

 真言密教は、第二祖-金剛薩た(こんごうさった)、第三
祖-龍猛(りゅうみょう)、第四祖-龍智(りゅうち)、第
五祖-金剛智(こんごうち)、第六祖-不空(ふくう)、第
七祖-恵果(けいか)、第八祖-空海(くうかい・弘法大師)
とインドから中国、中国から日本へと伝えられてきました。

 大日如来さまは、全ての、ありとあらゆる物の源(みなも
と)であり、万物は大日如来さまにより構成されています。
それは、私達自身も大日如来さまの一部であると言えるかも
しれません。
 また、色々なみ仏さまがいらっしゃいますが、それは大日
如来さまが、そのご霊験(れいけん)を最大限に発揮出来る
よう姿を変えられたもので、その様は金剛界、胎蔵界曼荼羅
に描かれています。

■阿字(あじ)■ 
  

ア(阿)
 阿はサンスクリット語(梵語)で、阿は密教において全て
を超越した宇宙の源とされ、絶対なる真実を表しているとみ
られています。
 阿字は大日如来さまと同一とされ、阿字一字で大日如来さ
まを表す種字(しゅじ)とされます。この阿字を通して大日
如来さまと一体になる瞑想(めいそう)を「阿字観」(あじ
かん)といいます。

■大日如来さまのお教典■ 
 大日如来さまが説かれた教典の一つは「大日経」(だいに
ちきょう)で、この教典の内容を図絵で表したものが胎蔵界
曼荼羅(まんだら)で慈悲の心を表します。

 大日経は、お大師さまが夢で仏より御告げを受けて、久米
寺(くめでら)の宝塔の中から見つけらけたお経です。お大
師さまは大日経を知ったことで直接密教の教えを受けること
を切望され、後に唐に渡られて、ついには真言第八祖となら
れたのです。
 もう一つは「金剛頂経」(こんごうちょうきょう)で、金
剛界曼荼羅に知恵や理性を表します。
 観音院の毎日の法要でも上げられているお経「理趣経」(り
しゅきょう)は、金剛頂経の影響を受けているともいわれて
います。
 理趣経は大日如来さまが色々な仏さまに姿を変えられた時
の功徳(くどく)が説かれていて、最後の「百字の偈」(ひゃ
くじのげ)により集約されています。

■御真言(ごしんごん)■ 
 大日如来さまの御真言は
おん あびらうんけん ばざらだと ばん
ですが、皆さん良くご存じでおあげになっている光明真言
おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに
はんどま じんばら はらばりたや うん
も大日如来さまの御真言です。

 「まことの道」(百十六頁)には「生きとし生けるもの、
ありとあらゆるものをあまねく照らし、羽包(はぐく)み育
てる真言の教主大日如来は一切のみほとけの根本にして、わ
れら衆生のみ親なり。光明真言はこの大日如来の御真言にし
て、一切の苦悩を解脱(げだつ)せしめる。」とあります。
 何かお願い事のある時、困難にぶつかった時、病気の時な
ど「おん」の一言でも結構ですから、合掌し、または心の中
で手を合わせてお唱(とな)えされてみて下さい。必ずやみ
仏さまの慈悲の手が差し伸べられます、しっかり握ってお力
を頂かれて下さい。

■お初穂祭(はつほさい)■ 
 お初穂祭は、ご分霊(ぶんれい)を護持(ごじ)されてい
る方の特別祭で今年は十日と二十四日です。
 ご分霊とは、観音院にお祀りされているみ仏さまの御霊
(みたま)を、ご家庭でもお祀りできる大きさに作られた仏
さまに、分けて頂くことです。お寺での永代供養をお願いさ
れている方もおられます。
 今までは、厄除大師さま、利剣不動さま、萬倍稲荷さま、
子安観音さまがお授けされてきましたが、一昨年、大日如来
さまが総金箔にお化粧直しされて以来、是非、大日如来さま
の御分霊をとのご要望が多くありまして、この度「大日如来
さまの御分霊」をお授け出来ることとなりました。既に、何
軒ものご家庭に、また、観音院でのご供養もお預かりしてお
ります。
 この良き機会に、ご分霊を受けられたい方は、ご遠慮なく
受付にご相談になって下さい。

 季節は間もなく冬となりますが、観音院では年間を通して、
真心の込められた初物のお供えが続きます。秋には新米を多
くお供え頂きます。ご奉納頂いたお初穂米(新米)は、み仏
さまのご守護(しゅご)を祈念(きねん)し、「福徳」とと
もに護持者にお授けされます。
 また、昨年より、お初穂祭の月、十一月にご参拝のご縁の
ある皆さま全員にお初穂米の小袋をお授けしたところ、大変
好評でしたので、今年も引続きお授け致します。
 ご家族、ご友人の皆さまお揃いでご参拝されて、沢山の福
徳を頂いて帰られて下さい。

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