光然の高野山修行日記 ・二  前半

専修学院の朝の流れについてお話をしましょう。平日は五時に起床の鐘が鳴り、その十分後には全員整列した上で点呼が始まり、朝の勤行へと入って行きます。

五時ぎりぎりまで眠っている人もいますが、概ね三十分前には起床して洗顔や歯磨きを済ませています。

起床後は勤行の集会(しゅえ)の前に、各自箸と湯呑を乗せたお盆を食堂における自身の座坪(定位置をこう呼びます)に置き、集会所の座坪に入ります。ここで出し忘れると、以降朝食までお盆を出す機会は無く、配膳を滞らせた罪、食事を用意してくれた人への無礼を厳しく非難されるので決して忘れてはいけないモノとなります。

朝の勤行はその日の予定により左右されるので、何時から何時までと決められているわけではありませんでした。

簡略なものでは開経偈(かいきょうげ)、般若心経一巻、諸真言という次第で二十分程度で終わるものから、詳細は割愛しますが、一座の法会を再現した九十分程度の勤行までありました。

勤行の後は、院内各所の鎮守、持仏院内諸尊への礼拝が始まり、廊下に整列して各所でお経と真言をお唱えします。この際、整列しての移動が有りますが、乱れる事無い迅速な行動が求められます。

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