値段の高い物は富と力の象徴と錯覚を起こしたのかも

法主さんの腰に付けておられる鈴は実は、修験道の信徒さんが持たれる普通のものです。これを純金にしたいとご喜捨の申し出が後を絶ちません。
 多分、もし特注すれば二百万円くらいで立派な物が出来ると思いますが、法主さんが許可されません。鈴之僧正のブランドの原点になるものですからご喜捨したい人も多いのです。
 法主さんは高価な物を身に付けることも持たれることも好まれません。
 観音院の仏具一式を純金にしたいと願われる信徒さんも後を絶ちません。拝金思想は、観音院には皆無ですから、キンキラ金は論外な話です。
 法主さんの一番好きな色は灰色です。それを、金箔を、応接やら本堂全体、受付や住職さんの応接の襖(ふすま)などに全部貼ったものですから、大変にご機嫌が悪かったのです。
 最近、ワイヤレスの器具が多く普及していますが、金箔は電波を乱したり遮断して不便なことが多いようです。チーク材が入手できる可能性があるので、木製材は全てチークにしようかと話されています。ただ折角に貼ってある金箔を剥ぐことも無いので、内装等については将来の課題です。
 観音院の仏具、大きな意味では設備は、とても充実しています。換気扇は大きな物が内陣(ないじん)と外陣(げじん)に設置してあります。内陣の換気扇は強制で外部から空気を取り込み、護摩壇の周囲から上に立ち上げ、天蓋(てんがい)で吸い上げ、高さ十三メートルの屋上で煤を除いて排出するようになっています。内陣外陣とも冷暖房がしてあり、修行の道場としては快適過ぎるようになっています。
 須弥壇は、最高級の黒御影石を磨き、耐火性は抜群、傷も付き難い頑丈なものです。導師斜め前にはモニターテレビが設置されていて、僧侶は法要中も四ヶ所を首を動かさずに見ることが可能です。法要中に僧侶がキョロキョロするのは見たくない無作法です。本堂の左右にあるテレビ四台の内三台は、その時々の寺の掲示板の代わりです、一台は東京事務所と双方が画面に映し出されるテレビ会議システムです。
 東京事務所に集まられた方々とご一緒に法要が営めるよう設備しています。
 観音院の本堂の照明は明るくしてあり照明の暗さで目が悪くなることが無いよう工夫してあります。
 信徒さんの多くは僧侶と同じ経典を共に読まれます。
 これは見事なもので、得度されていなくても、何時でも、在家僧侶として通用するように思います。経典を読まない人たちも徐々に習いたいと要望されることが多く、やがて正式に得度を受けられる動機になります。
 お寺の一番大切な備品は、み仏さまと信徒さまだと思います。
 伽藍堂と言う言葉は、中身の無いガランとした建物のことを表しますが、観音院はガラン堂ではありません。
 最近では携帯電話の着信音がすることが寺内では完全に無くなりました。大半の人が携帯電話をお持ちされていますので、良くここまで礼儀を守られるようになられたと感心しています。
 夕方七時に扉等には厳重に施錠しますが、境内は常に開放してあります。本堂正面にはみ仏さまが拝めるように透明ガラスが填めてあります。
 水掛地蔵さまのところには美味しい水が出るようになっていますが、この水は消毒薬が完全に除いてあり、一日くらいは大丈夫と思いますが、ペットボトル一本くらいが限度で、保存には適していません。動く水は腐りませんが、動かない水は保存はとても危険です。保存にご注意下さい。

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