仏壇におローソクを上げる時の注意

おローソクに炎を点して、その真上に触れてみてください。想像以上に熱くなっているものです。限界を超えると火事になります。
 この話は読み流されては困ります。直ぐ仏壇の前に座って実験してみてください。火傷するようだったら、ローソクの立ての寸法が高いかローソクが大き過ぎるかのどちらかです。放置すると火事になります。
 仏壇屋さんも、この仏壇には何号までのローソクしか使えませんと書いて置かないと製造物責任を問われるかもしれない世の中です。
 ローソク自体も実は危ないもので、縁が溶けたりすると、あっとする間に高く燃え上がります。芯が燃え切らずに、溶けた蝋の中に落ちて芯の代わりをすると、ローソクはとても危険なものなのです。風でもあると大変です。
 ローソクの細すぎるのも危険です。 ローソク立ての針が太過ぎてローソクの下部が簡単に壊れて斜めになります。
 一番安全なのは電球式です。お寺の灯篭は全部五ワットの電球です。ローソク型の乾電池で豆球のも良いですね。
 明かりを点もして供養すことに有り難い意味があるように思います。線香を電球で暖めた受け皿に入れても香りは出ます。普通の線香は半分の長さに折って使うと良いですね。
 観音院はお焼香に伽羅(きゃら)を使っていますが、これは目方にすると純金より高価です。これは法主さんのみ仏さまに対する感謝や供養の気持ちから習慣となったものです。
 お香は焼香墨に点火して、その上に置き焦がすようにして使います。
 線香は香炉灰をしっかり詰めて、線香が倒れないようにして置きましょう。
 仏壇のお供え物を放置するのは良くありません。お花の水を換えないと変な臭いがしてきます。花瓶の水は毎日新しいものにし、お花は花びらが落ちたり萎れたら交換しましょう。仏壇の扉は拝む時に開け、後は閉める習慣が良いのですが、開けっ放しにされる方も多いようです。どちらでも結構ですが、埃が付かないように掃除してください。水拭きは厳禁です。毛ばたきののようなもので埃を払ってください。
 金箔はお寺の仏具もご家庭の仏壇も布で擦ると簡単に剥落してしまいます。
 毛ばたきで埃をはらうくらいが適切です。強くこするとひとたまりもありません。補修用の金箔を持っていますが素人の手に負えるようなものではありません。乾燥し過ぎるのも禁物です。
 時々、毛ばたきが千切れて仏具の瓔珞(ようらく)にこびり付いたりしていることもありますが、仏具は叩かないで、優しく取り扱ってください。
 仏具の多くは木製とか真鍮などで製作され、部品を膠(にかわ)でくっ付け、その上に胡粉のようなものを塗って、凹凸を滑らかにし、その上に金箔を張ったものですが、最近はFRPなどの樹脂で製造し、上に塗装したり、金箔を張ったり彩色したりしてあるものが多くなり、丈夫で低廉になっています。黒檀(こくたん)は樹脂では出来ないと思うのですが、最近の技術は素晴らしいので、そのうちに実用化されるかもしれません。
 黒檀や紫檀で製造された仏具は上品で、金張りは晴れやかです。どちらも伝統工芸品ですが、中国でも製造されて輸入される物も多く、しかし最終工程は国内で仕上げられています。
 何処で作られたかあまり気にすることはありません。仏教そのものが印度から中国へと伝来した宗教です。
 良く受ける質問ですが、仏壇に薔薇や蘭を供えても良いだろうか。従来はトゲのある花や異臭がする花は供えないとされていましたが、異臭は矢張りお供えしない方が良いでしょう。薔薇や蘭を愛するひとは多く、また美しい花が多いようです。薔薇や蘭は解禁と考えても良いでしょう。百合の雌しべは衣類に着くと汚れますので注意して取り除くことが必要です。飾り付けた後で花が開くと雌しべが出ます。
 お供え物は、故人の好物とはいえ、お酒や煙草は止めましょう。絶対に不可とは言いませんが、普通のお仏飯が望ましいことです。朝にお供えしたら晩には下げましょう。
 朱塗りのお膳は落とすと簡単に塗りが剥げたり、壊れたりします。塗り物のお膳やお碗は慎重に扱いましょう。
 お供えで一番大切な心得、は故人を偲ぶ思いやりや敬意が込められていることが大切です。
 ごく稀に蒲鉾などがお供えしてあることがありますが、お供えは精進料理の材料で調えるのが正式です。
 几帳面なお方は、料理する鍋や釜、俎板まで精進用として調えられている方もあるくらいです。

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