【院家さん】 寅さん、世の中は大きく変わったな。わしは強行採決の時に魂消て死にかけたよ。
【寅さん】 いやあ、随分心配したよ。九月十九日に安保法案の強行採決があって、二十日に救急車だろう。世の中が変わると平常心の法主様もこの世が嫌になったのか。
【院家さん】 こんなことをしていたら日本もダメになると思ってな。若い者の将来を考えたらメモリーオーバーになった。それで救急車で日赤へ入院して、息が出来なくて意識が遠くなって死ぬのが分かるんだよな。
【寅さん】 本当に日本のことを心配している人にとっては、ヒ首を心臓に差し込まれたような苦痛があった訳か。
【院家さん】 もうホンマにダメだと思ったけど、礼華さんの献身的な看護と日赤の内分泌のお医者さんや看護師さんの適切な治療でこの世に甦った。
【寅さん】 新婚早々に若い嫁さんを置いてあの世には行かれんわい。何はともあれ心配したわい。
【院家さん】 世の中も激しく変わるなあ。寿命は延びたがどうすれば日本のためになるか、出来ることが分からない。
【寅さん】 改めて聞くのもなんだが、強行採決は院家さんが憤死しかけるほど大変な出来事なのか。
【院家さん】 内閣が憲法違反の閣議決定をして、今まで戦争しない誇るべき国家であったのが、普通の国のように戦争が出来る方向に舵を切った。
【寅さん】 極楽へ向けて走っていた船が地獄へ向けて舵を切って走り出したようなものか。
【院家さん】 妙なもんだ。自民党の支持率が少し上がっている。国民ももう少し考えたらどうかな。心配でやれん。
平成27年観自在12月号より
