二月 如月 歳時記 

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【寅さん】 物凄い数珠だね。これ、何に使うの。

【院家さん】 情熱的に拝むときには赤い珊瑚の数珠、お金儲けをしたい人の祈願をする時にはシトリンの黄色い数珠、萬倍様を拝む時には伽羅沈香の数珠、心願成就を願われる時にはアメジストの数珠等と使い分けている。

【寅さん】 この前お受けした萬倍七福神のブレスレットはパワーが物凄い有るような気がする。

【院家さん】 観音院はブレスレットの材料は仕入ない。全部数珠で購入して礼拝に使用して、それをバラしてブレスレットに仕上げている。つまりは皆さまのご希望を叶えたいと言う気持ちが拝みこんであるのだ。萬倍様を象徴される珠は黒い石か伽羅沈香の類。弁天様は赤の珊瑚かローズかクオーツが使ってある。
寿老人に当たる所は同じ色の三つの珠が連なっている。これは寿老人の本体が福禄寿からなっていて、皆様が健康で長生きできるよう、事業の継続が上手く行くよう、幸いの多からん事が珠の意味だ。正式な数珠には百八の珠が有るけど、一連でブレスレットが五つか六つしか出来ない。この中の珠には一連が数十万する数珠の珠が惜しげなく使用して有ります。

【寅さん】 新品の数珠を裁断されて、ブレスレットにされるのは勿体ないような気がしたが、一旦礼拝用具として僧侶が手にされたものをブレスレットにされるという院家さんの気持ちが有り難いと思うよ。制作原価という事は考えておられないの。

【院家さん】 製作原価なんて興味ないね。水晶の数珠で一連が十八万五千円、伽羅沈香なら数十万はするね。ローズクオーツやアメジスト、瑪瑙等の数珠も良い値段がするな。

【寅さん】 珠を一つずつ手に取ってみると、とても美しい。このブレスレットも切れたときは、拾わない方が良いの。

【院家さん】 いや、切れたら元通りにしてあげるので、拾って持ってきてね。遠慮はいらないよ。ブレスレットを組む時には風水や方角等も見ているよ。随分と勉強させられましたね。

【寅さん】 院家さんはまさかとは思うけど迷信深いの。

【院家さん】 迷信深いね。と言うか、言い伝えや、格言等は大切にするようにしている。だから、貴石の持つ固有の意味や、言い伝えも大切にしているよ。手に沢山のブレスレットをしている人がいるけど、萬倍七福神ブレスレットを一本すれば所願成就だな。一本のブレスットを拵えるのに寅さんの言う原価なら、五千円は超えそうだな。

【寅さん】 左手と右手のどちらにはめたら良いの。

【院家さん】 利き手の反対に付けると良い。

【寅さん】 萬倍七福神ブレスレットをお受けしてから、夜の寝つきがとても良くなった。多少膝が痛かったのが嘘のように良くなったな。綺麗に出来たブレスレットなので、着けていると目立つらしい。良く曰く因縁を聞かれるよ。親石に彫って金箔が張ってある萬倍様の珠はいつ見ても有り難いね。一万円もお供えすれば良いかな。

【院家さん】 この際お金の事は言わない事にしようや。お寺が原価だ、利益だ、売価だなんて考えていたら、それはもう僧侶ではないよ。ただ、皆さんのお気持ちの金額でお授けすると言うのが観音院の方針です。例えば、家族祈願は一万円という相場が出来上がっているけど、子供さんやお孫さんまでおられると一万円ずつ足し上げる考え方は良くないな、無理を絶対にされないで何家族だろうと「これでお願いします」と言われたら受け付けには損得を考えずに御縁を大切にして有り難くお受けする事にしている。

【寅さん】 観音院の良い所は、お寺の都合より、信徒さんの財布の方を心配して下さることだ。お葬儀などの時にも観音院の別殿で執行されると、大変に安くつくと聞いております。

【院家さん】 観音院のブレスレットにしても、家族祈願にしても、葬儀にしても、その金額は信徒さんの代表が相談して決められていて、お坊さんは金銭には関与できない決まりだ。

観音院は運営と経理を公開していて。その処理をするのは全て信徒さんの代表によって為され、僧侶は金銭に殆どタッチする事は無い。

【寅さん】 だから出家を志して無料奉仕で読経に参加されるお弟子さんが多いし、それで全体がやって行けるのだから、素晴らしいと思うよ。もし受付で自分の財布と相談して無理な事がある時は、無理しないようにお願いしてください。それで万事OKです。長年観音院に出入りしている私が申し上げるのだから間違い
ありません。

【院家さん】 どのように法要するか、どのような拝み方をするかについては厳格な決まりも有り、それは如何なるの理由でも崩せない。こんな事が言えるのは信徒さんの代表が運営を相談され、経理を公開されているから言える事だ。

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