一人暮らしで老け込むのは止めなさい 何歳になっても配偶者と言うものは一番大切

【寅さん】 院家さん、その年で結婚されるとは誰も想像しなかったんだけど。

【院家さん】 あと一月で満八十二歳になるよ。礼華さんは、十一月に三十七歳になる。という事は、単純に差し引き四十五歳の年の差があるな。
人にもよるけど、年齢なんか何の参考資料にもならない。市役所も家庭裁判所も、不思議そうな顔はしなかった。

人は淡々と、且つ粛々と生きて行くことが大切だよ。私が結婚することによって、多くの信徒さんが元気を取り戻しつつある。これは良い効果だな。

【寅さん】 それにしても、羨ましいことこの上もない。年寄り一同は院家さんのようにしたいと思うようになった。

【院家さん】 真似をすれば良いじゃあないか、何をぼそぼそしとるのだ。

【寅さん】 遺産分けやら、子供の文句やら、いろいろあってね。

【院家さん】 遺産は無い、子供は居らんと思えば良い。あると思うな、金と跡継ぎ。

【寅さん】 それがなかなか踏ん切りがつかずに老いているわけで、独り者は可哀想だと思うよ。院家さん、孤老の立場で考えてみて下さい。

【院家さん】そんなことは私に責任は無いな。物事は割り切って自分の一番楽しくて嬉しい方向で考えなさいと常々言っている通りだ。教えているままに実行しているわけだ。

【寅さん】 院家さんのようにやるコツを教えて下さいよ。

【院家さん】 まず一番に、品行方正であることだ。それから、人を愛する事を一生懸命に真面目に考えなさい。次は、よく働く事です。一生懸命に仕事をすると呆ける暇も無い。そして一番大切なことは、よく遊びよく本を読むことだ。お洒落をすることだ。老人臭は手入れ次第でどうにでもなる。

【寅さん】 そういえば、院家さんの肌はとても綺麗だな。何か秘訣はあるの。

【院家さん】 あるある。中広の藤田やすよ皮膚科クリニックの先生に、保湿クリームを沢山処方してもらって、風呂上がりには頭のてっぺんから足の先まで塗り捲っている。これが効くなあ。

【寅さん】 それで、いくつぐらい若返る。

【院家さん】 二十歳は軽いと思うよ。次は食べ物だな。ステーキの百五十グラムくらいは一日おきくらいにでも、魚もサンマを焼いて毎日のように食っている。

【寅さん】 なるほどねぇ。保湿クリームと食い物か。医者に何か言われない。

【院家さん】 この前日赤の主治医さんから、「ヘモグロビンA1cが順調に下がっている、お目出度うございます」と言われたよ。百五十歳まで生きるつもりだと言ったら笑っていたよ。

続きは、月刊観自在 平成27年6月号をご覧ください

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