ご分霊・鳴釜・御千米


ご分霊(ぶんれい)をお迎えして

観音院の十一月は毎年吉例で、ご分霊の捧持(ほうじ)祭、お初穂(はつほ)祭が執行されます。

ご分霊をお祀(まつ)りされることは、み佛さまと共に暮らし、祈り、佛縁を深め、魔縁(まえん)からお守り頂くこと、み教えにより幸福へとお導き頂くことです。

守護佛として、心の拠り所であるみ佛さまを自分の側にお祀りしたい、自分のみ佛さまを持ちたいと願われて、多くの方がご分霊を捧持、奉納されています。

子安観世音菩薩(こやすかんぜおんぼさつ)さまは「子供を思う親心をかなえて下さる佛さま」として親しまれ、子孫繁栄・家内円満、ご親族のご守護を願われて、お祀りされています。

また、その慈悲をあらわされて亡き方々をお浄土にお導きくださることから、先祖供養のために、ご先祖さまや、幼くして亡くなられたお子さまの追善菩提のために拝まれる方も多いようです。

利剣不動明王(りげんふどうみょうおう)さまは、航空・航海・交通安全の守護佛として、親族や社員の無事を祈り、日常に車に乗られる方、運送業を営む方などがお祀りされています。煩悩(ぼんのう)を断ち、正しき道に導いて下さる佛さまとして信心されています。縁切り、封じ祈願、悪因縁の解脱にお力を発揮されます。

萬倍稲荷(まんばいいなり)さまは、「世のため人のために尽くしたい」と願う人に福徳智慧をお授けくださり、商売繁盛・事業繁栄、学業成就にご霊験あらたかです。会社やお店、ご家庭の守護神としてお祀りされています。

観音院のお大師さまは、厄除けのお力を強く発揮されることから厄除大師(やくよけだいし)さまと呼ばれています。お大師さまの導きを念じ「南無大師遍照金剛」とご宝号(ほうごう)をお唱えすると、不安を除き、厄難や不運、災いからお守り下さいます。

御船霊(おふなだま)さまは利剣不動さまがご本地、航海の安全や豊漁を祈り、船舶にお祀りされます。船を守護し、船に宿る御霊(みたま)であり、漁業・海運等を生業とされ、海に生きる人々の守護佛です。最近ではクルーザーにお祀りされる方もおられます。

お初穂祭にご参集の皆さま方にこの秋、各地の信徒さまからご奉納頂いた新米「お初穂米」が福徳と共にお授けされます。


実りの秋に感謝を込めて

秋は全国で収穫祭、秋祭りが行われ、今年一年の実りへの感謝と来年の無事と豊作を願います。収穫された穀物を始め海の幸、山の幸、里の幸のお供えをして神佛に感謝の祈りが捧げられます。

観音院にも秋の便りが続々と届き、真心のお供えに報恩感謝のお手紙が添えられています。

また全国各地の皆さまから一年を通して様々な「初物」のお供えが奉納が続きます。

皆さまからご奉納頂いたお米は毎日のご佛飯としてお供えされるだけでなく、七福招来の祈願がされて「御千米」としてご参拝の皆さま方にお授けされています。


鳴釜(なりがま)のご法要

毎月の1日・11日・13日・18日・21日・24日・28日のご本尊さまのご縁日、朝10時のご法要では、「鳴釜」がご修法されます。鳴釜から響き聞こえくる音は梵天王(ぼんてんおう)さまのお声、梵音(ぼんのん)といわれます。

梵天さまは修行中のお釈迦さまに出会われて、み教えに帰依(きえ)され、守護神(しゅごしん)となられました。

十二天(じゅうにてん)の一として、天部(てんぶ)の最高神とされます。

梵音は佛の声、清なる音声で、汚(けが)れを除き邪気を払い、降魔(ごうま)、降伏(ごうぶく)の強い力を持っています。梵音を聞くと心中の悪いものが清められ、心身が軽くなり、頭が冴えます。

ご法要では内陣(ないじん)にて鳴釜の霊気を頂いた錫杖(しゃくじょう)のお加持があります。皆さまには合掌されて「錫杖のお加持」をお受けください。特別にお加持をしてもらいたい箇所がある時には、ご遠慮なく僧侶にお願いされてください。

鳴釜でご祈祷(きとう)された御千米(おせんまい)はご参拝の皆さま方にお授けしています。鳴釜の炊いたご飯を食べると元気が出ると言われています。お粥(かゆ)にされたり、お米に混ぜてご飯に炊かれて、ご家族で頂かれて心身ともに元気になりましょう。


お便りご紹介

鳴釜のお蔭を頂いて
「長く寝たきりの義母に頼まれてお参りした折り、初めて鳴釜の御千米を頂きました。鳴釜のお米を食べると元気を頂けると言われ、義母に食べさせたところ、日頃の食の細さが嘘のようにあっと言う間に食べてくれました。
気弱になっている義母に少しでも元気になって貰いたくて、乞われるまま毎回、観音院に御千米を頂きにあがりました。
七月も終わりのご法要で、不思議なことに鳴釜の音が胸の奥深くに響き、ただ唯ありがたく思えて涙があふれ止まりませんでした。
その日、帰宅すると驚いたことに、義母が床に起き上がっていて笑顔で迎えてくれました。それ以来、少しずつではありますが体力を付いてきて、先日は伝い歩きではありますが、自分でトイレにまで行くことができました。家族一同、驚く限りでございます。
これも一重にご住職さまを始めご僧侶方が、まるでご自分の親のように案じて祈って下さったお蔭で、み佛さまのお力を頂けたのだと思っております。本当にありがとうございました。  淑子」

御千米は薬ではありませんから、食べて病気が治るというものではありません。どうしても科学では証明のつかない不思議なことも起き、皆さまがおかげを頂かれて、それは、嬉しいことでもあります。

皆さま方のお願いごとが一日も早く叶い、み佛さまのご加護を頂かれ、幸せになって頂けるように僧侶職員一同、一心に祈り続けたいと思っております。

タイトルとURLをコピーしました