お盆は親子の対話を重ねましょう

■お盆は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」のことで略してお盆と言って
います。 
盂蘭盆とは、サンスクリット語(梵語)の”ウランバーナ”を音訳し
たもので「逆さづりにされる苦しみ」という意味で、苦しみの境遇
にある先祖を救うために供養したのが盂蘭盆会です。 

お釈迦さまの弟子の一人、目連尊者という方が、神通力で亡き母
の姿を見たところ、母親は餓鬼道に落ちて苦しんでいました。あま
りのことに何とかして救いたいと、お釈迦さまに教えを乞うと、
「七月十五日に、祖霊や亡き父母たちのために、多くの僧侶たちを
丁重に供養し、法要をするように」と教えられました。
 教えの法力によって、目連の母は苦しみから解脱(げだつ)し、
ご成仏することができました。

▼お盆は、ご先祖や亡き両親の御霊(みたま)の安らかさを祈り、
私たち子孫がご恩に感謝して、ご供養をする時です。多くの僧侶を
もてなし法要を営み、修法し、その功徳(くどく)を全ての先祖に
めぐらせ、捧げることが本義です。
▼ですから、本堂に皆さまの善意がつどい、法要が営まれることが
お盆の最も善きありかたです。

■近年はお盆休みや原爆忌、終戦記念日とあいまって「月おくれ盆」
といって一ケ月遅れの八月に行われるようになりました。
 お盆には帰省されたり、行楽に出たり、家族で過ごす時間も多い
ので親子で時間をとって、対話につとめたいものです。そのなかで
生命を受け継ぐ尊さや供養について教えてあげてください。

 夏休みは親子で十分に対話して、一緒に自然に親しみ、遊ぶ時間
をもちたいものです。
 お盆には「親孝行する」という意味もあるので、親の身を案じて、
いたわり、孝養を尽くしたいものです。

 お盆には、親孝行をする、親子、兄弟・姉妹や、親族がお互いに
いたわり合い、協力し、ねぎらいの言葉をかけ合いましょう。
 悪しき言葉を使わないようにいたしましょう。怒ったり腹を立て
たり、人と言い争わないように、親切に協力しましょう。

▼親が子供のためを思って言ってくれる小言や忠告を黙って聞いて
おくと将来役に立つものです。

 お寺に集まって合同でお盆法要に会うのが最も善きご供養です。
多く皆さまの祈りが集うことは、ご祈念が強く大きくなることです。
ご親族や親子で法要に会われるとご先祖さまも喜ばれると存じます。

▼お盆に故郷の実家に帰って、兄弟姉妹、その子たちが一緒に食事
でもできるのは幸せなことです。

▼最近、多くのサービス業は交代で、一斉の休みも無くなりました。
 核家族で故郷の無い人も多く、都会でもお盆の迎え火など、危な
くて とうてい無理になりました。
 観音院のお盆の法要は、八月六日の原爆忌から始まります。
十五日お盆合同法要、十七日、十八日(永代経法要日)。
 地蔵盆(じぞうぼん)は 八月二十三日、二十四日です。

▼八月四日は第一日曜日で大般若転読法要(だいはんにゃ・てんどく
ほうよう)を午前十時から執行します。
▼八月四日午前八時からのお寺の「清掃ご奉仕」にご参加ください。

お盆の心得

■一番大切なのは反省です。自分の心を見つめることです。自分の
心を見つめて、良い心と悪い心を知り、良い心を言葉と態度に表わ
すようにいたしましょう。
▼全てのものを大切にする。人の居る場所、なすべき仕事を大切に
する。時間を粗末にしないこと。
▼他人に対して「いたわり、慈しみの心、思いやり、相手の立場で
考える」努力をしましょう。

■誠実で勤勉で、健康に留意して、良く考える人になってください。
経済は停滞し、まだ苦しい時もあると覚悟しなければなりません。
日々の生活を質素に、堅実にしておきたいものです。
 不況もなかなか見通しが立たず、経済は停滞しています。停滞の
次は一段の危機に陥るか、また停滞するか、世界的な規模で動きが
あり、ものごとはさらに複雑になっています。しだいに良くなるか。
何事も「諸行無常」で、そのままの状態で止まっているものはあり
ません。だからこそ、四苦八苦も長続きはしません。

お盆で大切なこと

▼故郷へ帰省するについて、無理な日程を立てないこと。車の遠距
離運転は出来れば止めて、早めに公共交通機関を予約する。安全運
転に徹して事故を起こさない。盆中の交通事故の葬儀は大変。

▼食中毒を出さぬこと、手洗いを励行し、腐敗し易い食物を長時間
持ち歩かぬこと。
 調理時は、肉や魚、卵、野菜などの扱いを清潔にすること。

▼水の事故に気を付けること。
知らない海や川で泳ぐ時は、思わぬ深みや潮流の早い流れ、冷たい
流れがあるから注意すること。特に飲酒して泳ぐと心不全を起こす
こともある。荒波に近寄らない。
▼長男の家に里帰りをする人は、長男の嫁に負担を掛けぬこと。
皆で協力して快く過ごすこと。
▼亡き人の悪口を言わざること。
▼初盆は仏壇に灯明や線香を付け放しのことが多いが、火事用心。
 日常のお勤めも、仏前に着座している間のみ、お灯明をともすよ
うに、電話や急の来客の時には必ず火を消して確認します。

原爆追弔法要

■広島市の観音院では、例年八月六日の午前八時十五分、
「原爆犠牲者の追弔と第二次世界大戦犠牲者、戦死・戦没者の
追弔慰霊法要」を執行しています。
 観音院ではこの日から、毎日、お盆の法要を執行します。
▼盂蘭盆会(うらぼんえ)の法要は毎日、午前十時、正午十二時、
午後二時から、施餓鬼(せがき)供養と共に執行致します。
■観音院は良く拝むことでは日本一だ、と皆さまに言って頂いて
おります。いつお参りしても、山門は開かれており、夜間は明るく
照明されて、良いお香を使うことでも知られています。善いお香は
心が落ち着き、瞑想(めいそう)を深めます。

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