お盆のご供養・佛壇の清浄

お盆休みは旅行にキャンプ、海水浴と行楽の楽しみもありますが、
やはり、家族で田舎へ帰ってお墓参りという方が多いようです。
 ご自宅にお佛壇のないご家庭でも、せめてご実家に帰られている
間くらいは、朝夕にみ佛さまに手を合わせて日々の暮らしの感謝を
祈る日本の昔からの良い習慣を子供達に伝えていきましょう。

 帰省されたら、まずは玄関で家族の皆さんにご挨拶。次に奥に通
されたら、席に着く前に家族皆でお佛壇の前に座りローソクに灯を
ともし、お線香をお上げしてみ佛さまにお参りします。
 神棚がお祀(まつ)りされている時は神棚にもお参りします。

 お土産は佛前にお供えされる場合と家人に手渡される場合がある
と思います。お土産を受け取られたら一番に佛さまにお供えします
が、その役目は是非、子供さんにさせてあげてください。

 翌朝は顔を洗ったら、み佛さまに合掌礼拝(らいはい)。食事が
済んだら、いよいよお墓参りに出掛けます。

 お墓に行く前に、お寺にお参りしてお盆のご法要に会い、ご法話
を聞きますが、日程のご都合で前後されるのは構いません。

 お墓がお寺の敷地内にある時はご本尊さまや境内の佛さまにお参
りされてから、別の場所にある時はそこにお祀りされている佛さま
にお参りされてから、ご自分の家のお墓にお参りします。
 お墓はきれいに掃除してからお参りします。お供えのお菓子やお
酒などの類はお参りが済んだら持ち帰ります。ローソクとお線香は
火が消えたことを確認します。
 最後に、ご実家を立たれる前には、ご佛前にもご挨拶を忘れずに。
 旅行などでお盆中に難しい方はなるべく早めにお参りしましょう。

お佛壇の清浄(しょうじょう)

 お佛壇は、み佛さまをご家庭でも毎日礼拝供養出来るようにお寺
の本堂を模したものですから、いつも清浄(しょうじょう)である
ように努めましょう。
 お掃除はいきなり始めるのではなく、合掌礼拝してから始めます。
 お佛壇は水分を嫌うので水気はシッカリと拭き取ります。目の粗
く固い布や、芯の出てしまった古い毛ばたきを使うと傷がついてし
まうので注意をしましょう。シリコンクロスやガーゼなどの柔らか
い乾いた布で優しく拭くと良いでしょう。
 小さな細工の部分やご本尊さまは柔らかくほぐした毛筆で優しく
ホコリを払います。
 佛壇の掃除は、盆と彼岸、年末だけというのではなく、日頃から
小まめに掃除します。また、月に一度は仏具を外に出して隅々まで
きれいに保つようにしましょう。

 観音院でも毎日の掃除はもちろんですが、毎月第一日曜日の午前
八時からは、ご奉仕の皆さまの手により本堂を始めとし、隅々まで
丁寧にお掃除がされています。
 お寺のお掃除といって難しく考える必要はありません。男性陣の
中には脚立に登って天井の煤(すす)落としに活躍されている方も
おられますが、普段のご家庭でのお掃除が少し広くなったと思って
下さい。窓ふきや雑巾がけを始め佛器みがきは座って出来ます。
 お寺のお掃除は福徳萬倍、ご利益(りやく)萬倍。とても功徳あ
ることです。皆さまに清掃奉仕のお願いを申し上げます。

お盆のお饗(もてな)し

 仏具は特別な物と思われがちですが、良く見ると何処かで見覚え
のある物がありませんか。 
 中国から日本に佛教が広く伝えられたのが唐の時代であったため
自然とその時代のものが多くなっているようです。中には日本的な
宮中や貴族、武家の間で使われたものもありますが、何れも優雅で
上等の物が選んで用いられています。

 ですから、特別な仏具がないと無理と思われずにご家庭にある物、
出来れば上等の物、お客さま用の食器や、故人が大切にされていた
器を使って下さって良いのです。

 法主(ほっす)さまは、美麗で有名な陶器であるロイヤルコペン
ハーゲン(デンマーク王室の援助により1775年に発足した王室御用
達製陶所のような上質の霊供膳(れいぐぜん)用の器を作りたいと
仰っておられました。
 観音院でも焼き物や瀬戸物、洋食器やカットグラスの花びんなど
がお供えに使われているのをご覧になったことがあると思います。

 折角のお供え物が粗末になることの無いよう「一番にみ佛さまに
お供えし」、そして「そのお下がりを頂く」ことを皆さまのご家庭
でも是非、習慣にして頂きたいと思います。
 ご供養とは大切なお客さま、み佛さまに喜んで頂けるようにする
ことです。皆さまも心を込めて、み佛さまをお饗しされて下さい。

観音院のお盆供養

 観音院では八月六日から十九日までの間、毎日三座、お盆の特別
法要が拝まれ、合わせて施餓鬼供養のお経も上がります。

 お盆は先祖供養、有縁供養(水子供養)、故人のご供養、動物供
養(ペット供養)、有縁無縁精霊供養などのご供養を施餓鬼供養の
紙塔婆に書かれてお願いされると丁重にご供養がして頂けます。
 お供物はローソクやお線香のお供えが多いのですが、お花やお菓
子、果物などをお気持ちでお供えくださる方も多く、また、ご供養
の願意で護摩木を書かれるとお供物の代わりにもなります。

 観音院では毎年、八月六日午前八時から「広島原爆記念日の慰霊
(いれい)法要」が執行されます。
 原爆や戦争でお亡くなりになられた方々のご供養の為に行われる
特別法要で、どなた様にもこの法要に会って頂くことが出来ます。
ご供養の紙塔婆もお願い出来ます。

 観音院のお盆供養が、一般的な十三日から十五日というのではな
く、長く拝まれるのは、お盆の三日間にお休み出来ない方や諸々の
事情で日にちが合わない方にも、お盆のご法要に会って頂きたいと
いう住職さまのお気持ちからです。
 お盆はご家族でお寺参りされて幼い頃から、み佛さまを大切にす
る心、今日あることを感謝し周囲の人々に優しく思いやりを持って
接する心を育(はぐく)む優しい月にいたしましょう。 明敬 記

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