お年寄りの共同生活は慎重に考えて

最近の相談に、定年に達して、兄弟姉妹が一緒に生活しようかと考えているがというものが多い。

同時に、同居している兄弟姉妹が揉めさんかやして別居したいが別居出来ない、苦しい毎日を送っておられるというのも多い。

兄や姉を見送り、さて自分の段になって面倒を見てもらえる人がいないという相談も多い。

一人口は食えないが、二人口はやっていけるという理屈は結婚する場合などであって、見聞きした範囲では兄弟姉妹は他人の始まりというのが多いようだ。

同居を始められる前に相談を受けるなら、相手の性格とか、ご本人の性格など、いろいろと聞いて助言の仕方もあるが、別居にしろ離婚にしろ、現在の生活を清算してやり直すことはいろいろと難しいことが多い。

同居の条件は能力の均衡が保たれている場合が望ましいようで、実は不和になる場合が多い。性格も似ている場合よりは異なっている場合の方が補完しやすい。

夫婦でいえば似合いの夫婦よりは不釣り合いの方が円満な場合が多いように見掛けられる。

どうしても折り合いが付かない場合、帰る家は処分済みでもう無いとか、新築した家を売って自分の持分を貰いたいと願っても、相手に相応の資力や判断力が残っていない場合もあって、身動きならない。同居に際して別居することが訪れると考えてもいない。

善意と思いやりで始めたことが裏目に出ると厄介なことだ。

夫婦は別れれば他人だが、兄弟姉妹は別れても同じ関係。その内に家庭裁判所も調停が難しい案件が持ち込まれるだろう。

長い間、別々に暮らした考えの異なる人の同居は慎重にされることをお勧めしたい。

兄弟喧嘩の仲裁は厭(いや)
夫婦喧嘩は犬も食わぬと言うが、兄弟喧嘩は熾烈で、他人の意見など入れないものが多い。どちらかが大きな能力をもっていて、保護者のような責任感をもっておられる場合は別として、一足す一は二というような考え方に最初から無理があるようだ。
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