詐欺師は横行する

最近、大金が闇に消える事件が多くて心配なことです。

 約二千億円の年金が消失したAIJ事件。厚生年金五二九基金が利率五・五%前提、これは土台無理な話です。

 中小企業が多く加入する六百八の厚生年金基金のうち五百二十九基金が、年金資金の運用目標である予定利率を年五・五%と高率のまま据え置いていることが厚生労働省のまとめでわかったそうです。

 不景気になると此の手の詐欺が多くなる傾向があります。

 イトマン事件はあまりに有名です。雅叙園観光、近畿放送(KBS京都)、関西新聞、大阪府民信用組合などか闇に飲み込まれていきます。リゾート、ゴルフ場開発があり、不動産取引、絵画・貴金属取引があり、バブルの投機物件が勢ぞろいする姿はある種、圧巻ともいうべきものです。その発端となったのは、許水中とイトマンの間で繰り広げられた絵画取引とされ、取引件数二百十一点、五百五十七億円に昇るもので、仕入れ値の三倍から五倍もの、それこそ言い値でイトマンは買っていくのです。その取引は磯田頭取の娘から始まり、西武百貨店から買い集めた絵画であったことが、セゾン・グループの闇の一部を構成することにもなります。

 イトマンの債務一兆二千億円の内、三千億円とも六千億円ともいわれる金が闇の勢力に渡ったとされます。

 アメリカではバナード・マードック事件。ナスダックの開設者である彼は六兆円も集めた、日本の堂々たる金融機関が被害者になりました。リーマンショックで破綻し、逮捕されて懲役百五十年。

 オリンパスの粉飾決算も医療機器や良いカメラを作ってますのに残念でした。

 ハッカーによるソニーに対するハッキング事件。「プレイステーションネットワーク」などから、約七千七百万円の個人情報が流出した恐れがある問題で、ソニーは、新たにグループ会社のソニー・オンラインエンターテイメント、米サンディエゴが運営・管理するシステムから、約二千四百六十万件の個人情報が流出した可能性があると発表しました。個人情報の流出件数は、グループで一億件以上に拡大する可能性が出てきました。

 湾岸戦争で日本が負担した戦費は百三十万億ドル、内百万億ドルは使途不明金。

 内閣官房機密費も半分は使途不明金です。日本は独立国とはいえない幼稚園国家でもあります。

 維新のが国会進出を目指して二千人の自費受講者を集めたのも分ります。

 これに相当するように全国を十の道州制に移行する法案が自民党などで用意されています。「船中八策」とは、慶応三年六月、坂本龍馬か、いろは丸沈没事件を解決させたのち、京都に上洛していた前土佐藩主の山内豊信(容堂)に対して大政奉還論を進言するため、藩船の夕顔丸で長崎を出航し、上洛中の洋上で参政の後藤象二郎に対して提示したものを海援隊士の長岡謙吉が書きとめ、のちに成文化されたものです。

 原文書は現存していません。

 「維新版・船中八策」の骨子が判明しました。統治機構の再構築や行財政改革、憲法改正などの八項目が柱。細目では、首相公選制の導入や、憲法改正の発議要件を衆参両院それぞれの三分の二から過半数に改めることを盛り込む方針です。 また、経済対策や社会保障制度改革の一環として、最低限の生活に必要な所得を全国民に保障する「ベーシック・インカム」(最低生活保障)の導入も検討しており、議論を呼びそうです。

 要約すれば、船中八策の柱は、統治機構の再構築▽行財政改革▽教育改革▽公務員制度改革▽社会保障制度改革▽経済政策▽外交・安全保障▽憲法改正の八つとなる見通しです。維新代表の橋下徹大阪市長が目指す「国と地方の仕事の仕分け」「民間での資金流動を活発化させる税制」「一生使い切りの社会保障」などを反映させる方向で、今後、所属地方議員や「維新政治塾」で議論し、細部を詰める方向だそうです。

 デフレスパイラルが人や物、金を奪った過去二十年とは次のようなことです。

 国内総生産は五百二十三兆円から四百六十八兆円と十一%減りました。

 株式時価総額は約二百八十兆円から約一割減少しました。

 正規雇用者数は三千八百十二万人から三千三百万人に十三%減りました。

 平均給与額は四百六十七万円から四百十二万円、十二%減です。

 経済問題で自殺した人は三千四百三十六人から六千四百六人と倍増しました。

 婚姻件数は七十九万八千件から六十七万件と十六%減少しました。

 国民年金保険料の納付率は七十九、五%と二十%減五十九、三%になりました。

 生活保護の受給世帯の一ヶ月平均は六十三万一千世帯から百四十一万世帯と二、二倍に増加しました。

 土地の価格は四十五%下落しました。百万円の土地が五十五万に下がりました。

 破綻企業は倍増、通常でも企業の三%は破綻しますが、円安なども相まって六%に倍増しています。(過去昨年までの十年間の指数結果から話しています)

 観音院は建物も償却していますし、取得価格は一平方メートルあたり十万円くらいにしか評価していません。

 日銀さんが自ら物価の目途を明示すると言われたのは時期を得た発言です。

 世間の皆さまがあらゆる経費を削減されて、『生き残り』は低価格販売に走られたことはご自分でご自分の首を絞められるような結果になりつつあります。

 昨今、後継者がいない、何かしないと運営が行き詰まる、と宗教界から悲鳴が聞こえますが、観音院は淡々と日常の礼拝、三百六十五日毎日三座の法要と説教、毎月第一日曜日の大般若転読法要を執行し、月刊『観自在』を毎月発行して居ます。院号は最高のものを差し上げて、院号料は頂いていません。

 『すべてに愛を光と祈りを』が観音院のモットーで、物を大切にする、投資投機は大嫌い、禁酒禁煙で参詣者は全国各地から多く、運営を公開し、誰でも運営評議員になれる体制に、いささかも揺るぎはありません。山門の下に立派で極楽のような大日堂を調度いたしましたが、ここは借り入れ金も無く、無償で皆さまにご提供できるものです。