観音院は十善戒を大切にしています

観音院は十善戒を大切にしています
なかんずく不妄語・不悪口・不両舌

 不妄語は嘘を吐いたり、嘘の原稿を発表したりしないという事。

 不綺語は真実に反して言葉を飾りたてたり、真実に反するような文章を構成したりしない事。

 不悪口は事実に基づいても他人の事を悪く言わない事。事実を上げても他人を誹謗しない事。

 不両舌は二枚舌を使わぬ事。一つの事について異なる文書を作成しない事。

 人は立場上自分を庇ったり、組織を庇ったりして嘘を言ったり、説明しなかったり沈黙する事があります。

 これらは上下関係の中にあってやむを得ずに行う不妄語ですが、現代では内部告発も盛んで且つ内部告発者が保護される傾向にあります。

 出来る事ならそのような嘘を吐かねばならない事に関わらないようにする事が大切になります。内部告発をすると例え保護されても告発者は極めて特定されやすいものです。巻き込まれて進退が窮まったときはお寺に相談に来てください。

 不綺語は帳簿などを改竄して実質以上に良く見えるようにしたり、或いは裏帳簿を拵えて脱税を計ったりするような行為で法律に触れる場合が多いので特別に注意が必要です。

 履歴書の水増しと言うべきか、より良く見せるために格別な資格を持っていると嘘を申告する事もあたります。

 これは実務につけばすぐに実力が判明するのでやらない方が良いですね。

 縁談などで嘘の経歴を書いたり、無い資産が有るように述べたりする事は後日深刻な不和の原因となります。

 時々医師の資格のない偽医者がとても親切な医者として評価されて流行ったりする事も有ります。これは本人が偽医者という事を認識して親切にする事で誤魔化して得られた評価です。反面、長時間待って五分間診察という医療界の現状が偽医者の評価を高めるのかもしれません。

 医療類似行為で格別な国家資格を有しないでも出来る仕事は有りますが、出来れば誤解を持たれるようなグレーゾーンの仕事は選ばないように注意して下さい。

 観音院では祈願に際して信徒さんの身体に触らないように厳重に注意しています。少なくとも両手を信徒さんの身体の表面五センチ以内に近づけないように指導しています。手当と言う言葉は本来悪い所に手を当てて、その結果が良かったと始まった言葉です。

 院家さんが手をかざされると、その部分が暖かく感じられる人や、一時的に痛みが治まる事は良く知られていますが、これに医学的な説明をする事は困難だと思います。

 不悪口、他人の陰口を引く人はあなたの陰口を告げていると思って間違い有りません。時として破廉恥な行為などかが摘発されて新聞に掲載されたりすると世の中の人全てが悪口を言ったり、刎ねたり、かしめたりする事が有りますが人間社会は複雑ですね。

 悪口をよく言う人は社会的信用度が低くなり、ひいては相手にもされなくなる傾向が有りますから他人の悪口を言う事は出来るだけ控える事が賢明だと思われます。

 不両舌、俗に二枚舌を使う事です。これは極めて悪質で詐欺師の常套手段です。人間の記憶力はそれほど優秀ではないので、じっくりと話を聞き、時間を掛けて判断すれば二枚舌は見破る事が可能です。にも関わらず詐欺に掛かる人が多いのは劇場型二枚舌と言われるもので、最近は非常に巧妙になりました。二枚舌は人を騙さんとして使われる物ですが、一つ事柄に詐欺師グループガ役割を決めて二枚舌で騙そうとしますので、騙されるのが普通の人かもしれません。

 これには手口様式など大体決まったやり方が有るので、信徒さんから沢山の話を聞きますので、寺にも色々な資料が有ります。相談に来て下されば劇場型二枚舌の被害に遭われないで済みます。

 人間のする事は言う事書く事と、表現や手足を使って相手の危害を与えたり親切にしたりと言うような事。悪い心で他人に不親切にする、騙す、二枚舌を使う等、身三口四意三が人間の行動の全てです。

 身三口四意三を仏の教えのままに使えば、この世は浄土になります。

具体的には「いたわり、慈しみ、思いやり、相手の立場で考える」という事になります。

 人は皆さん裸で生まれて来て、環境や教育などにより身三口四意三の使い方を憶えてその結果、浮く人も沈む人もおられます。或は浮き沈みを常とされる方もおられます。

 ですから、家族間で悪口を言いないように努め、「いたわり、慈しみ、思いやり、相手の立場で考える」ならば良い配偶者に恵まれ、良い子供が育ち、幸せな生涯が送れるでしよう。