災害は忘れた頃にやって来る 災害はある程度は予測できる<前編>

【院家さん】 寅さんや今年は梅雨が早いし降雨量は過去百年の降り方よりは断然すごいね。

 

【寅さん】 最近の気象は大変に複雑で一極集中型豪雨等が思わぬ土砂災害を引き起こし、家が倒壊したり犠牲者が出る事は痛ましい事だ。

 

【院家さん】 観音院は大正年間にこの辺りが水に浸かった記録に基づいて、本堂の床はそれ以上の高さにしてあるけど、今となってはもう三メートルも高くしておくべきだったと思う。非常用のエンジン付きボートを購入して屋上に設置しておこうかと考えたりしている。

 

【寅さん】 院家さんが車で走行中に水に浸かったら救命胴衣を用意したり、交通止めになると携帯用コンロでカップヌードルを食べられるようにするぐらいまで理解できるが、ヘルメットは何の為にするの。

 

【院家さん】 もし地震などが有って、車が動かなくなって歩かねばならない時に上から何か落ちて来たりしたら頭だけでも守りたいと言う訳だ。ガラスなんかも踏まないように枕元にはやはり底の厚いズックやヘルメットを備え付けている。万一戸が開かなくなったら壊すために大きなバールも置いている。

 

【寅さん】 出かける時にはフィリピン辺りの気象を観察し、台風が来るとき等は出掛けられないのは有名な話だ。

 

【院家さん】 まるっきり雲の無い所に大雨は降らない。その前に雨が相当降っていて地盤が雨をしっかり吸収していると一雨で土砂崩れ等が起きやすい。

ある程度は天気予報で予想が立つ。雨の降りそうな時は裏山の方から石が転がる音がしたり、変な臭いがする事がある。

 

【寅さん】 砂防学という学問がある。日本中で危険個所約八万四千四百ヶ所が調査され、その内八万三千百七十六か所は警戒区域に指定されている。

都道府県知事が指定する「土砂災害警戒区域」は土地の値段が下がるとか、恐怖を煽るとして住民の反発が有り、中国地方に千二百二十四ヶ所が未指定になっている。

 

【院家さん】 国交省や都道府県のホームページを調べれば自分が住んでいる所が「土砂災害警戒区域」特別に危険度が高い「特別警戒区域」に入っているか否かがすぐに分かる。

未指定は島根県が七百八十七ヶ所、鳥取県が百十七ヶ所、山口県が五十四ヶ所、広島県が二百四十五ヶ所、岡山県が二十四ヶ所と危険な所が多い。

観音院に相談に来られればインターネットに達者な人が何人もいるからすぐ調べてあげる事が可能になっている。