宗教団体の倫理、指導者の絶対倫理、基本は「十善戒」

理趣経に「もしこの経を受持し読誦するなら、設え三界の一切の有情を害すも地獄に行くことは無く、無上の悟りを得られる」。大日経にも「怨みも憎みも無い相手でこの世で悪行をして苦しみ、その報いからのがれさせるために殺生を犯してもゆるされる」とある。親鸞聖人の歎異抄のなかにも、上人が弟子の唯円に、自分に背かないと誓わせた上で、千人の殺人を命じて往生を保障している、唯円は一人では千人は無理だと言い、上人は先刻誓ったのに背くのかと追い詰める。上人は唯円が確固とした信仰を確立してるか確かめたのである。思弁的でも抽象的でも殺人を肯定しているような文言がいろいろとあるが、私には無縁である。

(法主さまのお話を田川純照が筆記)

焼身供養も捨身飼虎、目を突くのも
血の一滴を流すような誓願も認めない

 サリン事件があった時に、私が寺の職員に頼んだことは、農薬と言えども寺に置かない、墓地に使っていた除草剤も廃棄させた。当時も出版をしていましたので、暗室もあり、現像液や定着液も廃棄しました。観音院には毒物は絶対に置かない努力をしています。
 それでもカラープリンターには吸いたくなるようなカセットがあり、私が責任持って管理してます。色々と多様な宗教団体がありますが、防火と衛生に几帳面と言う特色がある宗団があっても良いですね。
 観音院には泣き所があります。お地蔵さまの前にある「美味しい水」です。
 あの水には消毒用の塩素が除いてあります、美味い水は保存に適しません、ペットボトル二本くらいでは腐りませんが防腐剤皆無の水を自転車や軽トラに詰めるだけ積んで帰られる人が出て来ましたので廃止を考えています。
 観音院の専従職員は防火管理者と衛生責任者の資格習得の義務があります。
 私の趣味は災害対策で、清潔度はおそらく病的、千倍の顕微鏡で見る趣味があります。除菌ティッシュを持ち歩き、外出から帰ると手を洗い、明治のイソジンガーグルで嗽をする習慣があります。汚れたトイレを掃除する癖があり、鞄の中には使い捨てのビニ手袋が入れてあります。出入り禁止の場所無し、金庫は733で開きます。
 奇癖があって、水虫薬を希釈して足指の間を拭く習慣で二十四時間、臭いません。もちろん水虫はありません。
 教えの前に、安全、清潔、平和が前提で、社会規範に反する教義を絶対に立てないことにしてます。あるいは篩(ふるい)に掛けて排除します。仏教の教義の中にも、現代社会に受け容れられないものがあります。
 もう一つの特徴は金銭に拘泥しないこと、運営は信徒さんに任せているので葬祭や得度などの目安はありますが、私も住職も金銭の多少には左右されることはありません。貸借対照表も損益計算書も公開してありますので、皆さんが考えれば良いことです。
 で、今年は私と住職のお金が二千万ほど出て、決算で千五百万円の損失が計上されて、合計三千五百万円、大変なことですが、懐が広いのでしょう。
 世の中の経済が悪い時は寺の経済も悪い、世間同様が望ましいことです。
 私は自分の人生の設計図を書き換えたり、加えたり削除したり出来る能力を持っているので自由度が大です。
 寺院の指導的立場にある人は教義以前の公序良俗に違反せぬことが大切。
 最近、目の前をお金が通過すると裏金やプール金を作る傾向がありますが、お役人や警察、ひいては司法関係者も全部被害妄想の対象ですね。
 聖職者を信頼するか否か、オウム事件後は大変悪くなりました。
 悩み事がある時に相談したい相手は仏教関係者よりも、占い師の方が多いのが現状です。
 脱税とか法律違反の時は占い師より宗教者の方が厳しく指弾されます。

 今日(四月十日)は責任役員会と評議員会が開催されます。このような日に原稿を田川常勤監事に口述出来る余裕が好ましい環境だと思います。
 役員会がもめるようなことは過去何十年かありません。一年一度の懇親会のようなもので、さりとて大切に思ってます。役員会で認められないことは一切執行することはありません。

世界各地で、イラクもイスラエルも、
どちらも宗教や民族が紛争に絡んでいるように

 イラクのフセイン政権時代に部族が毒ガスで虐殺されたこともあります。
 イラン・イラク・北朝鮮が悪の枢軸国といったのはアメリカ大統領でした。パキスタンの核保有には、関係国から技術提供があったとか、全部新聞テレビ等のまた聞きで、確認していません。
 アメリカで貿易センタービルが乗っ取られた飛行機に衝突されて日本人を含む沢山の犠牲者が出ました。
 アルカイダが関与しているとかで、アフガニスタンは今どのように—-。イラクもクエートに侵攻したり、相当乱暴でしたから、大量破壊兵器が有ると疑われても仕方ないですね。
 で米国が検証的に侵攻してフセインが拘束されましたが、早期解決の筈が大変な混乱に置かれています。
 日本の自衛隊が人道上の支援のために派遣されたのは、強力な武器を持たないで米国の庇護下にある日本ですから当然と言うより成り行きですね。
 どの党であれ、政権を担当しているなら、同じ決断をしたでしょう。
 イラクには行かないでくれと危険情報が出ていて、危険を敢えて冒して現地入りした三名が過激派に拘束された。
 家族のご心配は理解しています、しかし、本来はご本人の責任で、首相に会わせろと要求するのは筋違いです。
 最近の日本では、何かあると最高責任者を出せという風潮がありますが、停電したから電力会社の社長に会わせろとか、電話が通じないからNTTの総裁を出せと言うのは良くありません。
 最近、警察で裏金が問題になっていますが、だからと言って犯罪がなされて警察官が検挙するのに躊躇しては、世の中の秩序が保てません。
 紛争地で拘束され人質にされている人たちは各国に及びます。日本の外務省の対処は突出して良いと思います。
 総じて、この戦争については米国の責任が大変に大きく感じています。
 米国の死傷者は多く家族の悲痛な声が聞こえるようです。しかし一番大きな犠牲者を出しているのはイラクです。
 この国の復興には世界の協力が必要だと思います。出来るなら個人の水準では無く、国家の水準で援助することが望ましいと思います。個人の水準なら、日本の国内でも困難な環境にいる人たちのことを考えて欲しいものです。
 イスラエルとパレスチナの国境紛争も大変です。自爆テロはだれでもやれます、自分の身体に爆弾を巻き付け、または、車に爆弾を積んで、自分の死を覚悟しているのですから、怖いものはありません。反対に、やられる方の恐怖は大変に大きく、完全に防備することは不可能です。
 パキスタンはインドとカシミール問題をかかえており、核実験をしたり、宗教抗争も起きています。
 イスラエルは世界経済の根幹に影響を与える力を持っているかも知れません。ユダヤ民族の歴史も気の毒な同情すべきことが多々あり、同時にユダヤ系資本の大きさは、色々と妄想的話題にもなっています。米国内でも大きな影響力があるようです。
 イラクに拘束された人たちの報道で北朝鮮に家族を置いて帰って来た人たちの報道は霞んだようです。
 中東地域の燻り続ける火種はしばらくは消えないと思います。イスラム教の教義には優れた点も多く、米国のマルコムⅩの存在は良く知られています。
 イスラム教は中東、アフリカ、東南アジアに広く分布し、各国に拠点があり、宗教の和解共存が望まれますが、大変に難しい課題が山積しています。
 時に思うのですが、人間たちは、より破壊力の大きな武器を求め、軍隊は睨み合い、戦争は停まることは無いようにも思えるのです。
 日本は島国で、少子高齢化、国家規模の経済の破綻に苦しんでいますが、地球の規模では人口は増加し続け、食料の絶対量は不足することが予見されています。富も平等に配分することはこれも不可能です。
 平和を求めること、幸せを求めることは、戦争することと同じかもしれないと、悲観的になることがあります。
 人間たちが始めて道具を手にした時に、人はもしかすると、それを武器として使用したのでは無いかと思うこともあります。
 日本の治安も段々と悪い方向に世の中が向いています。何か不審なことが多くあります。それが何かを考えるのが現在の課題と思います。