■青葉まつり■
お大師さまは、今から千二百年余りの昔、現在の香川県善
通寺市、多度郡(たどのこおり)屏風ケ浦(びょうぶがうら)
に、お生まれになられました。
青葉まつりは弘法大師(こうぼうだいし)空海(くうかい)
さまのご誕生を祝うお祭りです。六月十五日は、弘法大師誕
生会の特別法要が行われます。
お大師さまの生家の佐伯家は、国造(くにのみやつこ)、
讃岐(さぬき)の豪族(ごうぞく)でした。
お大師さまは、ご幼少の頃から勉学に秀(ひい)で、また、
み佛(ほとけ)さまをとても大切にされていたというお話で
す。
十五歳で都へ上り、大学にも入られましたが、当時エリー
トコースとされた官吏(かんり・役人)への道に思案され、
ついに修行へと旅立たれたのでした。
時に、お大師さまは二十一歳。その後、三十一歳で留学生
(るがくしょう)として唐(とう・中国)に渡られるまでの
間の、ハッキリとした足取りはわかっていません。
唐では、佛教や梵語(ぼんご・サンスクリット)は素より、
医学、地学、建築など、様々な分野の学問や最先端技術を学
ばれました。
お大師さま伝説には「水の出ない村々で、三鈷杵(さんこ
しょ)や錫杖(しゃくじょう)で突かれた所から水が湧き出
た」というお話が多く有ります。地学に長けたお大師さまが
周囲の地形から水脈を見いだされたことと思われます。
とは言っても、一時の出来事ですので、やはり天才的な素
質を持たれていた方だったのでしょう。
最近では、高野山も金・銀・銅・水銀の鉱山(こうざん)
であるといわれ研究されているようです。
お大師さまは、六十二歳で高野山金剛峯寺、奥の院にご入
定(にゅうじょう)され、今もなお、私たちを見守り続けて
下さっています。
■厄除大師(やくよけだいし)さま■
観音院にお祀(まつ)りされますお大師さまは、厄除けの
お力の強いことから「厄除大師さま」と呼ばれていますが、
別名「汗かき大師」とも呼ばれます。
お名前の由来は、厄除大師さまが、そのお力を発揮(はっ
き)された時に、お体に汗(あせ)をかかれることから、そ
う呼ばれるようになったのだそうです。
これは観音院の職員が皆経験していることですが、本堂に
誰もいない静かな時に中に入ろうとすると、ドタドタと誰か
が走り込んで来た様な音がすることがあります。
そういう時には、決まって厄除大師さまの足元にきちんと
揃(そろ)えてある沓(くつ)が乱雑に、まるで慌てて駆け
込んで、脱いだかの様になっているのです。
そして、お体にシットリと汗をかかれているのです。汗が
玉のようになっていることもあります。
厄除大師さまは、本堂右手の胎蔵界曼荼羅(たいぞうかい
まんだら)の前にお祀りされています。
お大師さまの肩や膝(ひざ)のあたりに汗をかかれた跡が
キラキラと光って見えます。皆さまもご参拝の折り、ご焼香
の時にお近くまで行くことが出来ますので、ご自身の目でご
覧になって下さい。
■悩み事相談■
観自在のこよみの欄に対機説法(たいきせっぽう)・相談
佛教と書かれています。
皆さま方の苦しみ、悩み、困り事のご相談をお受けしてい
ます。
普通のご祈願(きがん)やご供養(くよう)は、受付でお
伺いしていますが、詳しい相談の必要な場合は院主(いんじ
ゅ)さまが、お話を聞いて下さいます。
とても困難な問題の場合は、法主(ほっす)さまが直接、
ご相談に乗って下さいます。
院主さまは、観音院の住職ですから、毎日の定例法要の導
師(どうし)を初め、車のお祓(はら)い、家・土地のご祈
祷(きとう)は、実際に現地に行かれることも多くあります。
当たり前ですが、観音院はお寺ですからご葬儀もあります。
もちろん導師は院主さまです。
大変お忙しい方ですので、相談は予約が必要です。ご希望
に合わせて、日時をお取りしますが、事前にご連絡の上、お
越し下さい。
話は変わりますが、お大師さまは六月生まれ、院主さまも
六月生まれで、お花のお好きな院主さまに、お誕生日には花
束やフラワーアレンジメント、胡蝶蘭の鉢植えと次々にお供
えがあります。法主さまは七月生まれで、観音院の六月と七
月は普段にも増して、美しい花々で彩られ心安らぎます。
院主さまは子供さんが大好きで、お参りに来られた子供た
ちに、オモチャや文房具などのお土産(みやげ)を沢山用意
されています。
小さな子供さんには院主さんは言いにくいので「おしょう
さん」と呼ばれています。
時々、小学生や中学生の子供さんが真面目な顔で「おしょ
うさんに相談が…」とやって来られます。
相談の内容は、自分自身のことは約二割。ほとんどが、家
族や友達のことを心配して「自分に何か力になれることは無
いだろうか」との相談なのです。院主さまも真剣にアドバイ
スして下さいます。
子供さんでも、相談の後は、深々と頭を下げお礼を言われ、
お小遣いを工面して来られたのでしょうか、護摩木を何本か
書かれ、法要では熱心にお経を上げられます。
この子たちの多くは、赤ちゃんの時、と言うよりお母さん
のお腹にいる時からお参りされていて、み佛(ほとけ)さま
の慈愛を深く育み成長されてるのを私たちも嬉しく見守って
います。