今回はいかにもお坊さんらしい行事、「九度山托鉢行(くどやまたくはつ)」と日直の仕事についてのお話をさせて頂きます。
五月三十一日(日曜)托鉢・日直
二時五十分:起床。相方はまだ起きていないので、本堂の雨戸や山門等各所の鍵開けを開始。小雨。湿度高し。
一通り鍵開けを終えたら精進供を用意するために台所へ。班員がすでに来ていて野菜の切り分けを行ってもらう。
相方もやって来たので、二手に分かれて精進供をお供え。
専修学院で仏様へのお供えに用いられる精進供は「キャベツ、大根、人参、高野豆腐」 (野菜の事情で寒天やサツマイモに代わる事も)で、毎日起床の鐘を鳴らすまでに日直が院内十一か所の仏様にお供えする事になっています。
通常は前日の内に野菜を切り終えておくことが望ましいのですが、諸々の事情(お説教やお叱りもしく指導)が入ると、寮舎から出ることを禁じられた時間になってしまう事が有るとだけお伝えしておきます。
五時:相方が起床の鐘を鳴らしてる間に本堂の点香(蝋燭や線香、火舎という仏器に盛られたお香に火を灯す事)をする。朝に湿度が高い中で香盛りをしたおかげかすぐに火が点かず少々慌てる。
五時十分:朝勤行から下座、食事。
下座の時間、日直は普段の掃除はせず、院内各所の仏様に仏飯とお茶をお供えします。相方と二人で行うとは言え、それなりの広さがあるのであまりのんびりしてはいられません。特に茶器はその場所に対応した物でないと台座にきちんと乗らないので、何となくで用意すると痛い目を見る事となります。勤行が始まるまでに出来る限りの準備をしておく事がとても大切でした。