葬儀は、ややこしいね。いざと言う時は、寺との付き合いがものを言う

【院家さん】院家 最近は変な葬式が増えたな。

【寅さん】本当におかしいですね。実は 直葬で葬儀は済ませたが、どうしても 戒名が欲しいので、もう一度葬式をし てくれと言うのが増えたね。

【院家さん】 葬儀にはお金がかかる。おまけ に現金払いという事で、思いもしない お金が必要で困惑された人は多いね。
今年の七月七日は日曜日。大般若経転 読法要で、ついでと言っては何だけど、 大般若経一巻二十万円也をお供えした 人は、皆さん生前に立派な戒名を差し 上げていますよ。

毎月第一日曜日に否でも応でも大般若 経転読法要の中で供養する事になる。
こんな良い機会は滅多にないから、徳 を積まれるようにお勧めしています。

【寅さん】 あ、わしのはしとったけど、 女房のはまだだった。この際、お願い しますのでどうぞ宜しく。

【院家さん】これでいつ死んでも、寅さんの夫婦は安心だな。用意が良い人ほどなかなか死なんもので、寅さんの夫婦はだいぶ長生きするな。

【寅さん】 本当は大般若経一巻奉納するのに十万円だから、立派な戒名はおまけという訳だな。

【院家さん】 いや、戒名はおまけじゃないよ。それが本筋だ。大般若経の寄進がその手立てのようなものだ。今日は二人の院号を作って上げたので、わしの仕事は済んだな。

【寅さん】 別殿の設備は、葬儀に必要なものが全部揃っていて、お棺と生花一対を備えれば立派な葬儀会場になる。時々、別殿に行って会場の真ん中に座って、周囲のキラキラする金箔を見ながら、わしも此処で葬儀をしてもらえるんだと思うと何だか幸せに感じるよ。

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【院家さん】 それにしても困ったものだ。最近は、直葬が増える傾向にある。直葬というのはね、誰かが死んでもお坊さんを呼んで葬式をするという事はないんだよ。誰にも知らせず、病院から焼き場に直行。もし聞かれたら、もう亡くなりました、とでも返事をするのだろうか。

【寅さん】 それは、どうも酷いと思うよ。死んだ人は多分、お父さんやお母さんだろう。子供を産んで育てるという事は並大抵のことじゃないはずだ。そして歳を取ったら、焼き殺しという訳だな。浮かばれないね。

【院家さん】 多分、直葬にするには、特別に何か事情があるんだろう。まぁ、貧しいとか、お金が無いとか。だから、内緒で済ますのだろう。

【寅さん】 しかし、内緒で済む訳がない。あの人は如何したんだろうかと、周囲の人が詮索するね。その内に、お化けが出るかもしれんね。

【院家さん】 お化けが出たかどうかは知らんけど、直葬にした後で、もう一度葬式をしてくれと言うのは、よくある話だ。直葬というものは、関係者の気持ちが整理されて居るので、なかなか良いものだ。参列者は全員喪服を着て、しとやかに葬儀が成される。

【寅さん】 それならそれで、直葬も良いじゃない。

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【院家さん】もちろん立派な戒名は付けて上げるし、それを見たら皆さん安心されるようだ。お葬式のやり直しについては、色々な事があるらしい。極端な場合には、亡くなられた人が化けて出て来たという話も良く聞く。親戚等も葬式はしなくてはいけないと、詰め寄るらしい。本来なら親不孝者が、親孝行になる瞬間だ。

【寅さん】 やっぱり葬儀はお寺さんに相談して戒名を付けて貰って、あの世に引導して貰うのが一番良いね。

【院家さん】 お金が無いなら無いように相談してくれれば、どうしてもお金を持って来いと言う事はない。その辺は慈悲でする事にしている。亡くなった人が子供の所へお化けになって出るのは良いが、お寺の方に葬儀をしてくれと出て来るのも居るので、どうしても葬儀をしない場合にはお寺の方で葬儀をして上げる事になる。

【寅さん】 お金が無いから直葬にするというのは気の毒だが、相談してくれれば相談に乗る寺だから、相談しない方が悪いね。結局は、金銭の有る無しに関わらず、葬儀はして貰えて、立派な戒名を貰える訳だ。

【院家さん】 生きている内に生前戒名を貰って、永代供養料を納めて、葬儀をしてくれと頼まれる人もある。世の中は、そのようになかなか出来ないもので、困った事があれば、お寺に相談するというような関係を作って居てくれるのが望ましい。

【寅さん】直葬するような人は、平素はほとんど寺にも参って来ないのだろう。大体がお寺さんを大切にしようという考えなんかない。だから、その必要な時に困る訳だ。仕方がないといえば仕方がない。世の中はそのようなものだと思うよ。観音院は良い寺だな。どうして相談に来ないのだろう。

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広島ブログ

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