嘘を吐けるほど頭の良い人はいない 嘘を吐かない人生は気楽に過ごせる

嘘を吐けるほど頭の良い人はいない 嘘を吐かない人生は気楽に過ごせる

【寅さん】 院家さんは絶対に嘘を吐かないのか、一度くらい嘘吐いたことがあるだろう。

【院家さん】 嘘吐いたことは一度も無いね。過去にしたことは行動が伴って、相手の反応を含めて記憶している。嘘は過去の体験とも関係が無いし、その状況も記憶してないね。嘘を吐いて覚えておく体験や状況がないから、嘘のために細部を再現できるような記憶をする必要が無くて、記憶が吐き通せない。体験が伴わない言動は覚えておくことが出来ない。

【寅さん】 院家さんは昔のこともよく記憶されていると思っていたが、嘘を記憶する脳味噌は無いわけだ。

【院家さん】 嘘だけでは無い。荒唐無稽なことも、記憶することは出来ないね。
勉強するときは、全体に手で書いて口に出して耳に聞いて、何度も繰り返して書いて、手が覚える。口先だけで話すと、耳が聞いておらず、手も覚えていないな。だから嘘は吐けない。

嘘を記憶するために努力は費やせない。だから嘘を吐いたら、すぐ分かる。そんな馬鹿なことはしないよ。

【寅さん】 複雑なんだな。嘘を吐いたことを記憶するために、努力は出来ないな。つい口に出て、日記に書いて、何で嘘を吐いたか状況を書いて、毎日読み返して見て、そんな努力は絶対にしたくないね。

【院家さん】 嘘を吐かない人生はとても楽なのだ。同じように無理をして身を飾ったり見栄を張ったり、そんな人生はとてもではないけどやっておれない。借金をするのも嫌だな。返済日を記憶しておくのがやりきれないな。

もっと言えば、何か将来のことについて約束をするのも嫌だ。記憶して約束を守ることは大変なエネルギーがいる。そんなことは私にとっては無理。ただし、約束はほとんどしないから記憶できるし、絶対に破らない。

【寅さん】 院家さんに信用があるのは、出来ない約束はしない。した約束は絶対に守る、ということか。毎日三座礼拝されているが、如何なることがあっても一度も欠かされたことが無い。これも約束を守る院家さんの考えが表に出たものだな。

「融通無碍僧正の法話 二」の続きは、観自在 平成27年11月号をご覧ください。

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