光然の高野山修行日記 ・十三 後半

■九月四日(金曜)始業式・伝授
九時:始業式。そのまま続いて白袈裟から如法衣(観音院でいつも身に付けている黄色い御袈裟)に付け替えて「理趣経」「護身法」「十八道」加行の「折紙伝授」を受ける。

この折紙伝授はその加行を受けるに足る資格を示す証明書であると同時に、行法を行う際の要点のみを記した台本のような物と考えて下さい。

ちなみに「四度加行」は「十八道」「金剛界」「胎蔵界」「息災護摩」の四段階に分かれていて、前出の「理趣経」「護身法」加行はそこに入るための「前行」となります。

十三時:食事を終え、道場にて加行の説明を受ける。

十四時半:自由時間。教室にて畳を擦り本日の伝授で授かった「折紙」の「浄書」(写し)を作成。

授かった「折紙」は道場で用いるには大きすぎ、また決して汚してはならない物なので、その写しを用意する事になります。

十九時:自由時間。道場にて自分が使う事になる壇の用意、各種道具を持ち込む。

二十時五十分:就寝。

■九月五日(土曜)天野大社参拝
三時半:起床、水行等をして前日終わらなかった浄書を仕上げる。

八時:丹生都比売神社(天野大社)参拝に出発。途中までバス、その後徒歩で移動。

十一時十分:公民館にて昼食。精進弁当。

十二時:丹生都比売神社にて加行成満を願うお祓いを受け、読経。

帰院後、空いた時間は壇の荘厳(飾りつけ)仏具の用意などに使う。

■九月六日(日曜)最初で最後の外出
九時:理趣経・護身法加行の合同習礼(予行演習)。壇荘厳自体がまともに出来ていない者も居て、注意点以前の問題と辛評を頂く。

十三時半:外出。龍泉院様へ加行前のご挨拶。次に会うのは転進時か加行成満の時か・・・帰院後仏具磨き。

十七時:食事後、本日は片付けの手伝いはせず、班に割り当てられた明日の開白に用いる突き仏供(円柱状のご飯)を作るための準備をする。

十八時:入浴や仏具磨き、香盛りを済ませる。

二十時十分:施餓鬼後、我が班が担当ではないが香華場(香盛り用の場所)の清掃を手伝う。六十名を越える院生が使用しただけあって、床や机、部屋全体が細かな灰にまみれている。
二十一時:加行が始まるぞ!就寝。

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