光然の高野山修行日記 ・十一 前半

今回は専修学院で受けた、座学の授業や試験についてお話を致します。

多くの授業は教室で行われ、教室は板張りで、机に椅子と多くの人が想像するであろう一般的な学校の教室とほぼ同じ作りとなっています。

一般の教室と違う所は黒板の隣、教室の奥にお大師様の御影がお祀りされ、毎朝精進供がお供えされている所にあります。
また授業開始前に日直によってお線香と蝋燭が灯される所も特徴と言ってよいでしよう。

授業開始直前になって蝋燭が残り少ない事や、線香が切れている事に気が付いて在庫補充に走り回っていると、教室への入退室がよく見える(階段を上り下りする音も良く響く)事務所から、寮監先生に見咎められ遅刻せずとも後ほどキツイお言葉を頂く事必至となります。それを避けるためにも、蝋燭に線香の補充は日直だけでなく教室の掃除当番なども協力して、小まめに在庫の確認をするのが一番です。

各授業は一コマ九十分で行われ、一限目は八時四十分から十時十分まで。

八時四十分から授業開始と言っても、一限目と、昼の授業となる三限目は十分前に予鈴があるので油断は禁物となります。

予鈴以降に教室に出入りをすると、昼の食事から夕方の勤行後に事務所への出頭もしくは、他の生徒が合掌待機している中での詰問が始まり、その時に合わせたペナルティ等が課されていたことをお伝え致します。

閑話休題。一限目の終了後、十分の休憩があり、二限目は十時二十分から十一時五十分まで。

その後、昼の食事を挟み十三時十分から十四時四十分まで三限目が行われ、授業が終了して十分後、衣帯を作務衣に着替えて夕方の下座(掃除)となるのが常の流れとなっていた次第。

衣帯と言えば授業であってもここでは修行の一環。授業を受ける際は僧衣でなければいけません。

例外的に僧衣で行われない授業は汚れを伴う可能性のある書道、梵習字、華道、茶道など。

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