光然の高野山修行日記 ・八 後半

五月二十二日(金曜)大塔下座
八時三十分:学院出発。外周部の箒掛けや、各所の雑巾がけを行う。

十一時四十五分:昼食のため帰院。メニューは(ご飯、林檎入りポテトサラダ、コーンクリームコロッケ二個、沢庵)

十二時五十分:再出発。掃除場所を変えて我々六班は愛染堂の下座。畳を全部外してしまう。護摩の煤や砂がいくらでも出て来る。

十五時十分:他班の掃除場所の手伝いもひとまず終了。各所の見学が十分間許される。滅多に入る機会が無いと言われる西塔を重点的に見学。

五月二十三日(土曜)金堂下座
八時半:学院出発。外部からの目を締め切った上で、薬師如来(阿閦如来)様にはたきをかけさせて頂く。昭和七年に現在の金堂が再建。厨子内に安置されてからこの千二百年法会で初めて開帳された仏様を、通常では有りえない程間近で拝見できる機会は二度とないだろう。

また薬師寺如来様の後ろにお祀りされている仏舎利も拝見させて頂く。

その後、内陣の畳を上げて箒、雑巾がけ。埃、砂がたっぷりと出て水をためたバケツはすぐ真っ黒になる。

十二時:昼食のため帰院。メニューは(ご飯、里芋の煮っ転がし、沢庵)

十三時:再出発。金堂外陣の畳上げ、箒、雑巾がけ、格子戸を外し磨いていく。皆次第に慣れて来て順調に進む。

全体の汚れ落としが終った後は、仏具磨き開始。高野山の総本堂で用いられるものだけに、どれも立派なものである。

十七時過ぎ:帰院。時間が押しているので急いで夕勤行に入る。

この二日間の下座をもって学院生の開創法会出仕は終わりを迎えました。

前述しましたが金堂下座の際、初開帳されたお薬師様の足裏の皺からお臍、厨子に安置されているので、それこそ見る事が出来ない背中まで拝見できた事が何よりの想い出です。

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