ギリシャ・ショックは民主主義で起きた 緊縮財政は嫌だと国民投票で決めてしまった 1/2

【寅さん】 院家さんもギリシャのことは分からんだろう。

【院家さん】 取り敢えず私は関係なさそうなので、あまり情報は収集してないな。ギリシャはヨーロッパの中でも歴史と古い伝統を維持し、アテネの街には古くから城壁が築かれ、神殿など遺跡が多く有って観光客が多く、そのサービスで成り立っていたような国だ。
主な産業は、産業とは言えないかもしれない公務員で、その他の職業は観光関連・製造業なんかは無かったな。

【寅さん】 そうすると、輸出する物など無かった訳か。

【院家さん】 人口は日本の約十分の一。国債の発行高は日本より少し多い。失業者は日本の割合より多かった。少子高齢化の弊害の出方は日本の将来に参考になるかもしれない。

【寅さん】 日本の将来の参考になるかもしれないと言うことであれば、新聞記事で遠い国のことだと思って居るわけにはいかないのだな。

【院家さん】 付加価値生産性の低い国家で日本並みに国債を発行していくとしたら、返還に行き詰まるかもしれないね。私が知っているギリシャは、ユーロ加盟以前のことだから、今は随分違うかもしれないな。

【寅さん】 それで、IMFやら、欧州中央銀行から借りてきた借金が返せなくなって、ドイツ等ユーロ圏各国に緊縮財政でやりなさいと言われたのを国民投票にかけて、緊縮財政はしないことになった。それは、借りてる国債の償還期限が来ても返さないと宣言したようなものか。

【院家さん】 ここ数カ月だけでも、月に五回ぐらい大口の借金の返済期日が来てる。それを国民投票で「払えない」と決めたようなものだな。借り先はIMFやら、欧州中央銀行だ。

貸した方は困っただろうなあ。国債と言う物は、担保が入れてない。ギリシャの領土を切り取って自国に持って帰る訳にもいかない。いくら民主主義でも、国民投票で「知らないよ」と決めても何の意味も無いな。

月刊観自在 平成27年8月号より

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