光然の高野山修行日記 ・四 中半

食事の用意について
毎日の料理は院生がするのではなく、通いでやって来るお姉さん方が用意してくださるので、院生は食当(じきとう)と呼ばれる係が中心となり、料理の盛り付けと配膳、それに後片付けを行います。お蔭様で、院生作のとんでもなく酷い料理を口にすると言う事も無く、健康的に過ごす事が出来ました。

料理の盛り付けをすると言っても、鍋にたっぷりと作られたおかず、特大サイズの窯で炊かれた白米に漬物を乗せて院生と、食堂に上がる寮監先生の数だけ用意したお椀に盛るだけなので、繊細な盛り付け等は存在しません。

食当は各班が一週間交代で務めるよう決められていて、朝の下座(掃除)の時間は下座ではなく朝食の用意を行います。

班員は概ね八名で構成されていて、ご飯盛り役二名、みそ汁盛り役二名、みそ汁椀から垂れた汁を拭く役一名、漬物役一名、配膳・お茶注ぎ役二名で分担して作務をこなす事になります。

朝食の用意は以上の班員でこなす必要が有りますが、昼食夕食の場合は院生の中の有志が率先して手伝い、後の時間を少しでも生む協力体制が次第に確立されていきました。

折角なので、どのような流れで朝の食事の準備が進むかを紹介いたします。

朝の勤行が終り、院生が作務衣に着替えるために駆け出す「三分ダッシュ」普段ならば自室へと駆け上がるのですが、食当は台所近くに食当部屋という四畳ほどの部屋を与えられています。

起床時に作務衣や授業道具一式を持ち込み、当日は夕食が終るまでこの部屋が班員の拠点となります。

短時間での着替えが必要と言っても、四畳の部屋なので、大人八名が一度に駆け込むのは余り宜しくないので、人の流れに阻害されて真っ直ぐに駆け込みづらい者は、流れから逃れて入室前に袈裟を外しておくと無駄が有りません。ここからは時間との勝負です。